近年では、小〜中学生が最初に歴史に興味をもつきっかけとして、学習マンガが無視できないものになっている。かく言う僕も、小学生の頃、刊行当初の小学館の『学習まんが 少年少女日本の歴史』全20巻を毎月楽しみに買って、むさぼり読んだ記憶がある。このシリーズは親しみやすい絵柄でありながら時代考証が綿密で、その後もロングセラーとなっている。とくに近年では、大ヒットした受験マンガのなかで、このシリーズが「大学入試にまで使える」と大きく宣伝されたものだから、さらに評価が高まっている。
ところが、この40年親しまれてきたシリーズに替わり、小学館が12月に新版の『小学館版 学習まんが 日本の歴史』を刊行したことが、業界ではちょっとした話題となっている。とくに新版では、日本史教科書で定評のある山川出版社とタイアップして、山川教科書の執筆者を監修に迎えたというのも注目点だ。
いま大手の出版社はどこも日本史の学習マンガを立て続けに刊行していて、書店に行っても多種多様な『まんが日本の歴史』が並んでいる。こうなれば、買う側もいったいどれを子供に買い与えたらいいのやら、混乱するに違いない。そこで今回は、大きなお世話を承知のうえで、大手五社の日本史学習マンガの「室町時代」の巻を読み比べて、独断と偏見による徹底比較を試みよう!
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source : 週刊文春 2023年1月5日・12日号