「ヒーロー」と呼ばれ、差し入れが殺到する暗殺犯。同じ拘置所の林眞須美から同情され、懲罰も受ける。一方、母はついに統一教会から…。
〈7/25(月)11:00すぎには奈良市よりY(41歳)君の到着で、大変なにぎやかな日でした。大声やドタバタと(略)今日からY君とラジオも3食も動作時限も全く同じです〉
7月25日。奈良西警察署から山上徹也容疑者(42)が鑑定留置のために大阪拘置所に移送されてきた。この日の“興奮”を手紙にしたため、塀の外にいる息子に送ってきた人物がいる。大阪拘置所のE棟9階で長年過ごす死刑囚、林眞須美(61)である。
手紙を受け取った長男が明かす。
「奇しくもこの日は、24年前に、私の母が冤罪を訴え続けている和歌山毒物カレー事件が発生した日でもありました。普段、母はラジオで音楽を聴くことを楽しみにしているのですが、この日だけは、自分のことが報じられる可能性があるため、ラジオから聞こえてくるニュースに神経を集中していたそうです」
山上を乗せた白いワゴン車が警察車両に囲まれて大阪拘置所に到着したのは午前11時10分頃。最高気温が34.7度を記録した真夏日にも関わらず、正門前には報道陣や野次馬が100人程集まり、物々しい雰囲気が朝から漂っていた。
「外の喧騒が母の部屋にも伝わってきたのでしょう。それで“大声やドタバタ”と書いたのかなと。その後母と面会した際、山上容疑者について聞いてみると、母親が宗教にハマったことを指して『かわいそうな一面もあるよね』と同情を寄せていました」(同前)
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source : 週刊文春 2023年1月5日・12日号