「その後の対応は弁護士や保険会社に任せっきり。事故に関する話は雑談の中でも、一切出てきませんよ」
こう明かすのは2022年4月23日、北海道・知床半島沖で沈没事故を起こした船の運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長(59)と近しい知人である。
乗客乗員26人のうち20人が死亡、6人が依然として行方不明のままだ。国の運輸安全委員会は12月15日、事故調査の経過報告書を公表した。
「遊覧船『KAZU Ⅰ』の前方にあるハッチのふたが閉まらない不具合があるにも関わらず出航。さらに船底を仕切る壁にも穴が開いていたため海水が船底全体に広がり、沈没に至った可能性が高いと結論づけています」(全国紙記者)
委員会の調査官から実際に3時間にわたってヒアリングを受けた「知床遊覧船」の元従業員が語る。
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source : 週刊文春 2023年1月5日・12日号