第1回 なぜ「週刊文春」は「電子版」を始めたのか

2021年3月26日配信分

「週刊文春」編集長

 始めまして。「週刊文春」編集長の加藤晃彦と申します。今週から電子版の読者の皆さんに、私からニュースレターをお送りすることになりました。スクープの裏側、編集長が何を考えて記事を作っているのか、また読者の皆さんからの質問にもお答えしていきます。よろしくお願いします。

 さて、第1回目の今回は、なぜ「週刊文春 電子版」を起ち上げたのかをお話ししたいと思います。「週刊文春」は、首都圏などでは毎週木曜日に発売されます。火曜日の夜に校了し、そこから印刷に入り、水曜日にトラックに積まれて日本全国へ配送されていきます。

 ただ、水曜日には早刷りと呼ばれる「週刊文春」が、新聞やテレビ、広告代理店、政界関係者に出回ります。早い人たちは、水曜日の午前中には入手しています。これを受けて、記事に書かれた側は対応を協議し、その日のうちに何らかのリアクションをすることが少なくありません。

 昨年5月に報じた黒川弘務・東京高検検事長(当時)の賭けマージャン報道を例に、振り返ります。雑誌の発売は5月21日木曜日でした。しかし、20日水曜日の午前中には、関係各所に記事のコピーが出回りました(厳密には著作権法違反ですよ~)。その日の記者会見で「文春の黒川報道について」と質問が出て、与党幹部が「事実であれば職務を続けられる話ではない」と回答。

 通常、小誌では、水曜日16時に、翌日発売のスクープをダイジェストでお伝えする「スクープ速報」を配信しています。新聞やテレビは、このスクープ速報をもとに、一気に報道。その日の夜には、黒川氏辞任が決まっていました。この時、まだ雑誌は発売されていません……。

 こうした流れは、さらに加速しています。

 今年2月に報じた自民党の白須賀貴樹衆院議員の「緊急事態宣言下に麻布『高級ラウンジ通い』」に至っては、水曜日のお昼過ぎには離党していました。

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source : 週刊文春

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