「うちの記者が、取材先にもかかわる重大事案で懲戒解雇となったにもかかわらず、社外に公表せず、これまでやってきたような形で記事にもせず、社内の一般社員への説明もしていません。これでは後輩への注意喚起や再発防止への取り組みもできず、心配です」
こう嘆息するのは日経新聞の現役記者A氏である。
日経新聞社内で一部の幹部に対して、とある社員の懲戒処分の情報が共有されたのは今年1月のことだった。日経幹部B氏が語る。
「各グループ長が参加する会議で、ある社員が懲戒解雇となったことが伝えられました。明かされたのは当該社員の所属と役職のみで名前も明らかにされませんでした。懲戒理由についても『私腹を肥やしていた』旨の説明があっただけで、具体的な説明は何もありませんでした」
中堅社員のC氏が補足する。
「その後、社内の情報を総合して分かってきたのは、処分されたのが50代後半のX記者だということ。昨年後半から問題を把握した会社側はXの不正について社内調査を行っており、Xは昨年11月から12月頃には謹慎していたようです。年が明けてから正式に懲戒解雇されることが決まった。すでに社内の情報共有システムからもXの名前は消されています」
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source : 週刊文春 電子版オリジナル