「なぜ川崎まで来たのか。国の政治に腹が立ってしょうがないからだ。政治の役割を果たしていない!」
2月25日、神奈川・川崎の武蔵溝ノ口駅でマイクを握ったのは吉村洋文大阪府知事(47)。ホームタウンから約400キロ離れたアウェーの地でも、その演説に拍手や声援が飛んだ。
吉村氏が共同代表を務める日本維新の会の「顔」として全国を駆け回るのは、春の統一地方選を重視しているためだ。全国に400人いる維新の地方議員を1.5倍の600人に増やす目標は「もはや達成確実。今は700人を視野に入れている」(党若手議員)。大阪府知事と大阪市長のダブル選では「吉村再選をめざす知事選はトリプルスコア、松井一郎市長の代わりに横山英幸府議が立つ市長選もそれに近い数字だ」(党幹部)。さらに公認候補を立てる奈良県知事選でも自民系分裂の「漁夫の利」もあって、維新候補の当選が有力視される。
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source : 週刊文春 2023年3月9日号