焼け焦げた車体の傍に落下した砲塔が転がる戦車の残骸。この壊れ方が、戦局の現状を暗示しているようで……?
イギリスの国際戦略研究所が先月公表した報告書「ミリタリー・バランス」によると、ロシア軍は昨年2月の侵攻開始以降、主力戦車T‐72の50%を損失。2、3年後には現存する戦車を使い果たす可能性があるという。
「ロシア軍は、ウクライナ戦線にT‐90、T‐80、T‐72の戦車2927両を配備。この1年でそのうち、1600両以上を失ったとされています。その一方、ロシア国内で生産できる戦車の台数は年間で250両程度との試算が出ているのです」(国際部記者)
何故これほどまでに多大な損失が出ているのか。2019年、モスクワ郊外で実施された競技会『戦車バイアスロン』を視察した陸上自衛隊の元幹部がロシア軍が使用する戦車の弱点を明かす。
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source : 週刊文春 2023年3月9日号