小誌が3週にわたって報じてきた安倍元首相暗殺を巡る「疑惑の銃弾」。その内容は各方面で論議を呼んでいる。そうした中、側近議員、元警視総監、ジャーナリスト、米法医学者、政治学者が指摘する「事件の核心」とは――。

昨年7月8日、演説中に凶弾に斃れた
上から2月16日発売号、2月9日発売号、2月22日発売号

安倍側近議員「体内に残った弾丸への疑問」

 総裁特別補佐として安倍晋三元首相を支えてきた高鳥修一衆院議員(62)。捜査に違和感を抱き、事件の後、2度にわたり警察に説明を求めてきた。

安倍派で農水副大臣などを歴任

 事実関係を明らかにしてほしい。警察に望むことは、この1点に尽きます。

 警察庁幹部から説明を受ける機会を得た際、警察側は、私が投げかけた質問事項に全て回答してくれました。その姿勢は評価しなければなりません。

 ただ、それでも納得できなかった。司法解剖の結果では、右前頸部(首の付け根の右前)から体内に銃弾が入ったとされています。しかし、文春が連載第1弾で実証実験をしていたように、事件発生時の安倍さんの姿勢では、右前頸部に銃弾は当たらない。警察が説明するように「大きく振り返った」なら、他の傷の付き方に矛盾が生じるのです。

 私は1月18日、大和西大寺駅前の事件現場にも足を運び、山上(徹也)被告の発砲地点や安倍さんが立っていた演台の位置などを細かく確認しました。そうやって自分なりに検証をし、警察の説明を聞いても、やはり納得はできませんでした。

 しかも、おかしな点はこれだけではないのです。

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source : 週刊文春 2023年3月9日号