桃の節句に逮捕されたのは、京都の花街では知られた存在の青年実業家だった。自慢するかのごとく連れ歩いていた美しき女子大生の殺害に用いたのは劇薬のタリウム。すべてに恵まれた男に垣間見える仄暗い狂気とは――。
▶︎元リクルート、ベンツ、豪邸 ボンボン社長の履歴
▶︎名門中高一貫校、立命館大お嬢様への騙し手口
人目を忍ぶ男女に相応しく、程よく調整されたライトが、甘美なひと時を照らし出す。京都市の祇園にある会員制のバー。ジャケットをスマートに羽織った男は、若く美しい女性と、上質な酒に酔った。
その場に居合わせたことのある2人の知人が語る。
「傍目からは素敵なカップルに見えました。男性は物腰穏やか。女性は大人びた服装の美人。綺麗な飲み方でしたよ。静かに数杯飲んで、さっと帰っていく。2人を見かけるようになったのはここ1年くらいです」
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source : 週刊文春 2023年3月16日号