今から1年半前、彼女は安倍晋三元首相からの“熱烈支持”を受け、女性初の宰相候補として大きな期待を集めていた。時が経ち、連日報じられるのは、国会で「文書は捏造」と強弁する姿。高市早苗・経済安全保障担当相(62)である。
発端は3月2日、立憲民主党の小西洋之参院議員が78枚に及ぶ総務省の内部文書を公開したことだ。
「文書には安倍政権下の2014〜15年、放送法で定められた政治的公平性を巡り、礒崎陽輔首相補佐官(当時)が追加の解釈を求めて総務省に“圧力”をかける過程が記されていた。この中に、総務相だった高市氏が礒崎氏の要求について官僚からレクを受けた際の記録や、〈高市大臣と総理の電話会談の結果〉と題されたメモが含まれていたのです」(官邸担当記者)
文書について、翌3日の国会で高市氏は「捏造」と断言。「捏造でなければ議員辞職するか」と問われると、「結構ですよ」とタンカを切ったのだ。
「自身の誕生日だった3月7日には、保守派で数少ない側近の1人、高鳥修一衆院議員のパーティに参加した。ラーメン愛好家の議連に所属するほどラーメン好きの高市氏は、高鳥氏からサプライズでラーメン丼をプレゼントされてご満悦でした。折しもこの日、JAXAのロケット『H3』の打ち上げが失敗。『総務省の問題よりこっちのほうがショック』と語るなど、強気の姿勢を見せていました」(自民党関係者)
高市氏はNHK改革で総務省と対立した経験を挙げ、文書は「悪意をもって捏造された」などと主張してきた。だが、一連の経緯の報告を受けていた元総務省幹部はこう証言する。
政権も保守も高市氏を見放した
「役人が大臣を貶めるために行政文書を捏造するなど、あり得ない。あれは大臣の動きや考えなどを役人が共有するために作られた記録。意図をもって行政文書を改ざんした森友問題とは性格は全く異なります」
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source : 週刊文春 2023年3月23日号