ホームセンターの駐車場で車を出そうとバックしたら、後ろを通ろうとしたベンツ(!)から強烈にクラクションを鳴らされた。窓越しに見てみると、ベンツの運転席から出た手が中指立ててFUCKサイン! ケンカ売ってんのか、この野郎!
それがNetflixで今、いちばん面白いドラマ『BEEF/ビーフ〜逆上〜』の始まり。この場合、BEEFは「牛肉」じゃなくて「不平」「悪罵」を意味するスラング。なぜ牛肉が悪罵なのか、由来は諸説あってはっきりしない。
FUCKサインを出されたのはダニー。仕事はハンディマン(便利屋)。家の修繕から庭の木の枝払いまで何でもする。逆にいうと、ちゃんとした仕事がない40歳手前。弟のポール(無職の引きこもり)と2人で狭いモーテル住まい。カリフォルニアの青い空を見上げて、人生に絶望したダニーは自殺しようとしていた。そこを金持ちそうなベンツに煽られてムカーっとして、カーチェイスになる。
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source : 週刊文春 2023年5月4日・11日号