「『空港施設』(東京都大田区)に対する国交省OBの人事介入が大きな問題になりましたが、ウチの会社でも、今春からこの7月にかけて、国交省の“いわくつき”OBが相次いで天下りしてきます。人事を主導しているのは、国交省航空局出身の社長。社内では『省内で厳しい立場に立たされた面々を民間企業に押し付けているのでは』と悲鳴が上がっています」
こう嘆くのは、JAL、ANAに次ぐ国内3位の航空会社「スカイマーク」(東京都大田区)の関係者だ。
1996年、エイチ・アイ・エスの澤田秀雄社長(当時)の出資で設立されたスカイマーク。格安運賃で航空業界に参戦し、2000年に東証マザーズ市場への上場を果たした。ところが、JALやANAがスカイマーク便に合わせて割引運賃を適用するなどの対抗策を取ったことで、搭乗率が急落して経営が悪化。一時業績は回復したものの、格安航空会社間の競争激化や燃料費高騰などの影響を受け、2015年に経営破綻し、民事再生法の適用を申請した。
「投資ファンド『インテグラル』など大株主の支援のもとで、経営再建に取り組みました。その後、コロナ禍で業績は再び悪化し、2020年3月期から3期連続の赤字に転落。それでも、昨年後半からは搭乗率が回復し、昨年12月には東証グロース市場に再上場を果たした。今年3月期決算では、事業収益は約846億円(前年比約79%増)に上り、純損益も57億円の黒字へと転換しました」(経済部記者)
森友事件でしどろもどろの局長や、窃盗事件を起こした部長を…
そのスカイマークで一体、何が起こっているのか。現在の経営トップは、旧運輸省に1971年に入省し、航空局長や審議官などを歴任した洞駿・代表取締役社長執行役員(75)だ。
「洞氏はもともとスカイマークの常勤顧問でした。再建にあたって、大株主であり役員も送り込んでいるインテグラル、日本政策投資銀行、ANAの三者の間で利害が対立するなか、“中立な立場”として、2020年2月に政投銀出身の市江正彦前社長の後を継いで社長に選任されました。今回の決算では黒字転換を実現しましたが、コロナが落ち着きを見せ始めたことや、政府による旅行支援が大きい。ところが、業績回復を‶錦の御旗”にするかのように、自身の出身である航空局OBを次々受け入れ始めたのです」(前出・スカイマーク関係者)
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source : 週刊文春