日本一に輝いたこともある大阪桐蔭高校ラグビー部の顧問が、授業中に生徒を殴打、生徒の鼻と口から血が噴き出し、床に血だまりができる事態となっていたことが「週刊文春」の取材でわかった。

 大阪桐蔭といえばスポーツで超有名な私立高校だ。特に野球部は甲子園で9度の優勝を誇る。

「巨人の中田翔に西武の中村剛也、現・アスレチックスの藤浪晋太郎など多数のプロ野球選手を輩出。監督の西谷浩一氏は高校球界一の名将として知られています」(スポーツ紙記者)

大阪府大東市にある大阪桐蔭高校

クラス全員が慄然とした暴行の瞬間

 実は今回の被害者は、この野球部に所属するA君。事件が起きたのは野球部や吹奏楽部などへの推薦で入学してきた生徒で構成されるⅢ類と呼ばれる高3のクラス。6月8日の2時間目の英語の授業でのことだった。担当はラグビー部で顧問を務めるX教諭。

「英文和訳をしていた時でした。X先生が野球部のA君がこっそりガムを噛んでいるのを見つけて頭をバチンと叩いたのです。さらにA君が下を向くと、今度はもう一発、手の平の固い部分で下から上に、思い切り突き上げるように殴打したのです」(現役生徒)

 瞬間、クラス全員が慄然としたという。

「A君はその場にうずくまり、鼻と口から血が噴き出して顔中血だらけ。あまりの出血で床には血だまりができましたが、X先生は『お前が悪いんだからな』と言い放ち、そのまま授業を続けました」(同前)

床にできた血だまりを拭き取った直後の写真(生徒撮影)

 その後、保健室に行ったA君は1時間ほどで戻ってきたが、

「A君は友人たちに『鼻も少し変形していて、折れたかもしれん。歯も欠けとった』と言っていた」(同前)

「学校として厳正に対処する所存です」

 X教諭が顧問を務めるラグビー部も、花園に出場16回を誇る名門だ。

「2019年1月には花園で優勝。ラグビーで有名な大学への進学率が高いのも特徴です。X先生自身も部OBで、その後はプロでスクラムハーフとして活躍していた。2020年に引退後、母校の非常勤講師になっています」(ラグビー部関係者)

 学校側に事実関係について尋ねると、概ね次のように文書で回答した。

「事実に間違いはございません。当該生徒が怪我の治療中であることを知らずに平手がその箇所に当たってしまい、鼻血が出て、その血が床に落ちていたのは事実です。このようなことはあってはならないことです。学校として厳正に対処する所存です」

ラグビー部(上)も野球部も日本一 ©時事通信社

 6月21日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」、および22日(木)発売の「週刊文春」では、さらに詳しい被害状況や目撃した生徒の肉声、またX教諭に直撃した際の一問一答も含め、詳しく報じている。

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source : 週刊文春 2023年6月29日号