団地の街灯が、暗がりに佇む車椅子の“老婆”を照らし出していた。地面に散らばった荷物を取ろうと立ち上がるも、よろめいて倒れ込む。その左目元は痛々しく腫れて変色していた。
「白髪が目立ち弱々しく、70代のお婆ちゃんに見えました」(通りかかった男性)
ただならぬ状況を察した男性は警察に通報。6月20日午後11時26分のことだ。これが一家の闇が暴かれていく合図だった。
“老婆”は団地から7キロほど離れた兵庫県神戸市西区の賃貸住宅に住む穂坂由美子さん(57)。彼女が保護された時すでに、同居する孫の修(なお)くん(6)は、激しい虐待を受けた末、惨死していた。修くんを死に至らしめたうえ、亡骸をスーツケースに詰めて草むらに遺棄したのが、由美子さんの4人の実子たちだった。
6月22日、兵庫県警に逮捕されたのは、修くんの母親の沙喜(34)、叔父の大地(32)、叔母で双子の朝美と朝華(ともに30)の4容疑者。容疑は由美子さんに対する監禁と傷害だ。
初回登録は初月300円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
source : 週刊文春 2023年7月6日号