たこは正体不明の消毒液に漬けられ、ふぐの違反工場は廃業していた。中国食品の実態を探るべく現地へ飛んだ記者が目にしたのは、日本とはかけ離れた食に対する意識の低さ。山東省から福建省まで対日輸出の現場を駆け回った、唖然、茫然、驚愕の現地レポート。

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 上海から高速バスで南下すること約4時間、杭州湾に浮かぶ舟山市(浙江省)。

 大陸側の寧波(ニンポー)から舟山へ渡る巨大な橋から海を眺めると、沖合までびっしりと茶色い藻が浮かぶのが見える。海岸に並ぶ天然ガスや石油化学製品の工場の煙突からは、もうもうと白い煙が上がっていた。

 この舟山は、清朝の時代から大陸へ水産品を供給する一大拠点として知られている。日本へも多くの水産品を輸出しており、日本の検疫所で違反を指摘されたいくつかの業者の生産拠点もある。

「週刊文春」では、3週にわたり中国産食品の実態を調査してきた。その際、重要な資料の一つとなったのが厚生労働省の「輸入食品等の食品衛生法違反事例」だ。この公表資料には、中国の違反業者の実名と所在地が掲載されている。

 はたして現地の生産現場は、どんな状況なのか。違反指摘後に改善はされているのか。今回は、その実態を探るべく記者が中国の生産現場に足を踏み入れた。

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source : 週刊文春 2018年5月17日号