新型コロナの位置付けが感染症法上の「5類」に引き下げられて3カ月余。行動制限から解放され、世はコロナ前の生活を取り戻しつつある。だが、ウイルス自体の脅威は決してなくなったわけではない。そんなウィズ・コロナの時代を生き抜く最新常識とは――。
「今年5月8日の5類移行後、新規感染者数の集計は毎日の全数把握から週1回、全国約5000の医療機関の報告を元にした定点把握に。感染状況が捉えにくくなりましたが、新規感染者は5月以降も増え続け、7月からは“第9波”に突入しました。8月18日の厚労省の発表では、7日から13日の定点報告で6万7070人。お盆の大型移動を経て、さらに増える可能性もある」(厚労省担当記者)
まずは、最新の変異株を知っておこう。今、世界各地で広がりをみせているのが通称「エリス」。WHOが「注目すべき変異株」に指定した「EG.5」である。厚労省健康局結核感染症課の担当者が語る。
「これはオミクロン株の亜系統XBB1.9.2からさらに派生した5番目グループの略称。現在、日本のコロナは9割以上がXBBタイプで、流行の50%が同型のEG.5.1です」
重症化例が増えたとする報告はないものの、昨年の第6波以降、猛威を振るったオミクロン株の系統にある次の主流株候補だ。
鹿児島大学大学院の西順一郎教授が指摘する。
「病原性は変わらず、免疫を逃れる力は強い。過去にかかった方が再感染する可能性もあるので、これまで通り、注意が必要です」
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source : 週刊文春 2023年8月31日号