黒いキャップとサングラス、首元に金色のネックレスを輝かせた大柄な黒人男性は、自分の順番を待つ間、手元の書類に目を落とし、しきりにフンフンと頷いていた。
10月17日午前10時30分、東京簡易裁判所406号室。キャップとサングラスを外し、被告人席に座ったこの男に、裁判官が名前を尋ねた。
「はい! 近田ボビーです」
近田ボビーこと、ボビー・オロゴン(57)を巡る、民事裁判の始まりだった。

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source : 週刊文春 電子版オリジナル