共同通信社は12月8日、50代と40代の元ソウル支局長2人を懲戒解雇処分にしたと公表した。
この日、総務局長名義で社内掲示板に〈懲戒処分と役員報酬一部返上の件〉と題した文書を公開。これによれば、外信部次長であるX氏とY氏は、韓国・ソウルでそれぞれ支局長を務めていた2012年から2022年にかけて、虚偽の会計報告によって約6000万円を私的に流用。あまりに高額な着服額に、公表文でもこう断じている。
〈例を見ないとも言えるこれだけ多額の着服は、共同通信社の信頼を大きく傷つけ、名誉、信用を失墜させる極めて悪質な行為です〉
X氏とY氏の2人は社が経費と認めた一部を除く計約5780万円をそれぞれ既に弁済。同社は警察への被害届は提出しない方針だという。
実際よりも低い交換レートで会計報告
彼らはいかにして大金を手にしていたのか。その手口を外信部関係者が解説する。
「海外の支局では、助手の給与や必要経費などを支局長が管理しています。本社から日本円で運営資金が毎月送金されてくるのですが、これを韓国通貨のウォンに両替する際、実際よりも低い交換レートで会計報告することで、差益を溜め込んでいたようです」
今回の事案が発覚したきっかけは、ソウルから帰国したばかりのY氏が、日本の口座に資金を移そうとしたことだったという。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル