ジャニー喜多川氏から性加害を受けていました――橋田康氏(38)が「週刊文春」の取材に実名顔出しで答えたのは今年5月のことだった。
わずか9カ月前、英国BBCがジャニー氏の犯罪を報じるまで、その罪は誰も触れたがらないタブーだった。メディアをはじめとする“共犯者”たちは、ジャニーズ事務所のもたらす甘い蜜にたぶらかされ、固く口を閉ざしてきた。
橋田氏の証言は、犯罪行為を見て見ぬふりをしてきた共犯者たちの癒着に穴を穿った。前後して、旧ジャニーズ事務所に所属していたタレントやJr.らが相次いで喜多川氏のおぞましい行為について語り始めたのである。
そして被害者たちの告白が、社会と時代を動かした。
2023年12月15日。橋田氏はジャニー氏からの性加害を受けた被害者への補償を行うSMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)社から正式に補償を受けた。告白から7カ月、これまでの闘いの日々を振り返る。
「週刊文春」に実名告白した理由
橋田氏がジャニーズ事務所に入所したのは1998年。Jr.として活動していた13歳の頃、地方公演に出演するために宿泊していたホテルで、ジャニー喜多川氏からの性加害を受けた。
その後も事務所に所属して活動を続け、02年秋、4人組のユニット『HisH』を結成。しかし2人のメンバーが退所し、グループの活動は休止。仕事が無くなった橋田氏も、1年後に事務所を辞めた。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル