「建設会社はけしからん。万博を成功させようというコメントがどこにもない」

 2月9日、京都で開催された「関西財界セミナー」の記者会見でそう憤ったのは、関西経済連合会の松本正義会長(79=住友電気工業会長)だ。

「松本氏は日本万国博覧会誘致委員会会長代行などを兼務し、大阪IR(統合型リゾート)誘致にも当たってきました。いわば“関西財界のドン”。彼の怒りの矛先はゼネコン各社、中でも業界団体トップの宮本洋一日本建設業連合会会長(清水建設会長)に向かっています」(関西財界関係者)

 宮本氏はかねてより、海外パビリオン建設の遅れについて「デッドラインは過ぎている」とし、「万博延期も考えないといけない」などと発言してきた。

「松本氏は会見で『建設会社の協会トップが、けしからん』とも述べ、報道陣には『松本が怒っていたと書いておいて』と口にしたほどでした」(同前)

 松本氏は1944年、兵庫県淡路島に生まれた。地元の県立高校から一橋大法学部に進学し、住友電工に入社。主に海外畑を歩み、2004年に社長に就任した。連結売上高を約3兆円に倍増させるなどし、同社の“中興の祖”と称されている。17年に会長に退くと同時に、関経連会長に就任。昨年度の役員報酬は1億8850万円に及ぶ。

東京五輪組織委理事も務めた松本氏

「関西への思い入れは深く、昨年の阪神タイガース優勝では、同じく淡路島出身の近本光司らを慰労する一幕もあった。中学は野球部、高校では柔道部。スポーツ好きで気力や気迫を大事にする親分肌です」(同前)

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source : 週刊文春 2024年2月22日号