最大で約52万件に及ぶ個人情報の漏洩を起こしたLINEヤフー。同社を巡る資本関係は複雑だが、ソフトバンクグループ傘下の携帯事業会社ソフトバンクと、韓国のIT大手NAVERが折半して出資する中間持株会社が、LINEヤフー株を約64%保有している構図だ(表参照)。

 

 総務省は今回、LINEヤフーに対し、実質的な親会社であるNAVERとの資本関係の見直しを迫る異例の行政指導を行った。更に同省は、もう一方の親会社であるソフトバンクの宮川潤一社長(58)に対しても、口頭でLINEヤフーへの資本的関与を強めるよう要請している。

 

 果たして、ソフトバンクは総務省の要請にどう対応するのか。ソフトバンクグループの総帥、孫正義会長兼社長(66)の本音はどこにあるのか。4月7日夜、渦中の宮川氏を直撃したところ――。

 宮川氏は愛知県出身。花園大学文学部仏教学科卒業後、1991年にももたろうインターネットを創業した。ブロードバンドサービス事業の名古屋めたりっく通信社長、東京めたりっく通信社長などを経て、2003年にソフトバンクグループ入り。ソフトバンクBB取締役、ソフトバンク取締役専務執行役員などを歴任してきた。長く技術担当役員を務め、2018年にソフトバンク副社長に就任。米携帯電話大手スプリント(現TモバイルUS)の経営再建や、トヨタ自動車とタッグを組んだ新規事業を牽引してきた実績などが評価され、2021年に社長に就任する。孫氏からの信頼も厚く、「右腕」と呼ばれる人物だ。

異色の経歴を持つ宮川社長 ©時事通信社

孫さんは「国からそこまで言われること自体、相当重く受け止めろよ」と

――総務省がLINEヤフーに行政指導を行い、ソフトバンクも韓国NAVERから株を買い取るべきという指摘が出ているが、社内で検討している?

「はい、正直言ったら進めてます。進めてますし、交渉してるって感じかな」

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source : 週刊文春 電子版オリジナル