イタリアG7サミットで岸田文雄首相が不在となった間隙を衝くのがいかにもこの政治家らしい。

 6月14日夜、麻生太郎副総裁(83)との会食をセッティングしたのは茂木敏充幹事長(68)。3時間超にわたり、サシで向かい合ったのは麻布十番の高級和食店だった。

「ウニ、蟹、イクラなどの高級食材をふんだんに使うなど、いまどき珍しいバブリーな高級店です。お値段は1人当たり3万円を下らない」(担当記者)

丸紅、読売新聞、マッキンゼーなどを経て政治家に

 2人の到着をほぼ全社の新聞やテレビの記者が待ち構えた。それもそのはず。麻生、茂木双方が前もって会合予定を担当記者に伝えていたからだ。この直前、麻生氏が外遊を控えた首相からの会食の誘いを袖にしただけに一層注目を集めた。

「麻生氏からすれば、政治資金規正法改正で自らの意に反し公明党などへの譲歩を繰り返した首相への当てつけです。一方、茂木氏からすれば2人の間にすきま風が吹く中、自身の厚遇ぶりをアピールし、『ポスト岸田』レースへ真っ先に名乗りを上げた」(自民党関係者)

 実際、先月19日配信のネット番組で「首相になってやりたい仕事はある」と色気を見せている。そんな茂木氏の政治基盤が大きく揺らいだのは、今年1月、首相による派閥解消宣言だった。茂木派から小渕優子選対委員長や青木一彦参院議員といった旧経世会幹部の血筋を引く有力幹部が相次いで退会したのだ。

「慌てた茂木氏は自派のみならず安倍派の若手との飲み会に参加。議員宿舎の部屋飲みにまでウイスキーやビールを片手に顔を出し、『処分のことは任せて』と請け合った」(同前)

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source : 週刊文春 2024年6月27日号