大好評第5弾! 前回を上回る数のご投稿ありがとうございます。今回も俳人の池田澄子さんが読者投稿より三十句を選出。そして、初秋に鑑賞したい名句をご紹介くださいました。

 

ロゼといふ色に出でたる酔芙蓉 後藤比奈夫

「ロゼ」と言えばワイン。実は私、お酒ダメなのですけど、ロゼワインは見ているだけで嬉しくなる色ですよね。赤ワインは体に良いっていう思いがくっつきますけど、ロゼはひたすら美しい。(すい)()(よう)の「酔」の字とちょっと関わらせて、なんてお洒落でスマートだこと。

 

父がつけしわが名立子や月を仰ぐ  星野立子

星野立子が生まれたのは、父・高浜虚子が30歳の時。その名前は、『論語』の「三十にして立つ」から付けられたのだとか。すっきりと誇り高く無駄もない美しい名。また「月を仰ぐ」行為の、なんと程よく似合っていること。娘の父への純な思いと行為の素敵なこと。

 

梶の葉にぴんぴんころり願ひけり 草間時彦

七夕(旧暦7月7日)の夜、お供え物の器としても用いられる芋の葉に溜まった露で墨を磨り、(かじ))の葉に願い事を書いて祈る、初秋の風習。ロマンチックで素敵です。ところが願ったのは「ぴんぴんころり」! 成程、分かる分かる。一句しっかり覚えてしまいますね。

 

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source : 週刊文春 2024年8月15日・22日号