10月7日、禁じられた区域で通信機器を使っていたとしてJRAは2人の騎手に騎乗停止の処分を下したと発表した。だが実は、全くバレていない人が……。
騎手は、レース前日の午後9時までに「調整ルーム」と呼ばれる施設への入室が義務付けられている。外部との接触を断ち、不正を防止することが目的だ。当然、室内ではスマートフォンやタブレット端末などの通信機器は原則、使用できない。
騎手が通信機器の使用で処分されるのはこれが初めてではない。昨年5月には、6人もの騎手のルール違反が明らかになった。
このとき競馬界の“鉄の掟”を破った6人は皆、将来を嘱望された若手騎手だった。彼らは調整ルームや競馬場の騎手控室にスマホを持ち込み、インターネットの閲覧や通話などの違反行為に及んでいたという。
JRAが6人に下した処分は、30日間の騎乗停止。重いペナルティとともに彼らには厳しい指導がなされ、スマホ管理におけるルールの強化も発表された。
「現在は調整ルーム入室時に騎手のスマホを当局に預けることが義務付けられており、タブレット端末などの通信機器の持ち込みも厳しく禁じられるようになっています」(JRA関係者)
しかし、規則の厳格化後も競馬界ではルール違反が相次いだ。今年7月には水沼元輝騎手が行った、スマホの使用に加え、スマホケースのみを預けるという偽装工作に対し、9カ月の騎乗停止の処分が下る。彼は1年の大半を棒に振ることとなった。競馬界はさながら“スマホ汚染”とでも言うべき状態にある。
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source : 週刊文春 2024年10月17日号