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根尾昂は本当に中日で良かったのか 各球団の“育成の上手さ”を検証

文春野球コラム ウィンターリーグ2019

2019/01/17

 根尾昂は本当に中日で良かったのか。

「ピッチャーに未練はありません。ショート1本で勝負したいです」

 スーパールーキーは入団会見で強い決意を口にした。果たして、背番号7はレギュラーの座を奪うことができるのか。

スーパールーキー根尾昂

中日は時間がかかりすぎていないか

 野手の場合、レギュラーの証として「規定打席」という数字がある。去年、セ・リーグでこれに到達した選手は31人だった。

「10年、20年と長期的にチームの核となる選手はやはり高卒。いかに優れた高校生を採用するかが大切になります」

 これは30年以上に渡って中日のスカウトとして新人発掘に尽力した中田宗男の言葉だ。

 去年の規定打席到達選手のうち、ドラフト上位指名(1位~3位)を受け、高校からプロ入りしたのは11人。上位指名ということは球団からまさに将来の中心選手として期待されている証拠だ。

 その11人を列挙する。

 坂本勇人(巨人1位)、岡本和真(巨人1位)、山田哲人(ヤクルト1位)、坂口智隆(近鉄1位→オリックス→ヤクルト)、雄平(ヤクルト1位・8年目から野手転向)、丸佳浩(広島3位)、鈴木誠也(広島2位)、筒香嘉智(横浜1位→DeNA)、平田良介(中日1位)、福田永将(中日3位)、高橋周平(中日1位)。

 気になることがある。彼らはどれくらいの下積みをしたのか。そこで調べた。まずは初の規定打席到達がプロ入り何年目か。次にそれまでに要した2軍での打席数と安打数である。

 恐縮だが、細かすぎる数字を並べる。

 坂本(2年目330打席81安打)、岡本(4年目1064打席250安打)、山田(4年目817打席196安打)、坂口(6年目1357打席353安打)、雄平(野手転向後5年目957打席262安打)、丸(4年目704打席161安打)、鈴木(4年目571打席147安打)、筒香(3年目696打席170安打)、平田(9年目1001打席248安打)、福田(12年目1528打席421安打)、高橋(7年目1372打席342安打)。

 早咲きは坂本だ。2年目にショートのポジションを掴んでいる。日本の4番に成長した筒香は3年目で頭角を現し、巨人にFA移籍した丸やトリプルスリーを3回達成した山田は4年目でブレイク。一方、福田は苦節12年。坂口も2軍で1300打席を経験。雄平は8年目に投手から野手へ転向した苦労人だ。

 当然、人生は運に左右される。チーム状態、監督交代、主力の怪我、移籍、引退。チャンスの早い遅いは様々な要素が絡む。

「それにしても、中日は時間がかかりすぎていないか」

 中日以外の8選手は平均4年目で規定打席に到達している。それまでに2軍で平均812打席203安打。3年間は2軍でみっちり約800打席を経験し、200安打前後の結果を出してから、4年目で羽ばたく。これが1つの目安なのかもしれない。

 一方、中日の平田、福田、高橋の3選手は平均で9年もかかり、2軍で1300打席に立ち、337安打を打った。偶然、この3人が遅咲きなのか。