根尾ラーメン、根尾ツアー、根尾図書館……。このシーズンオフ、中日ドラゴンズの大本営・中日スポーツの1面は期待のルーキー、根尾昂尽くし。挙げ句の果てには、中日スポーツが選んだ「2018年ドラゴンズ10大ニュース」の1位は「根尾引き当てた」だった。ドラゴンズの2018年って一体……。
とにもかくにも岩瀬仁紀、荒木雅博、浅尾拓也ら黄金時代を築いたレジェンドたちの引退の話題と、根尾フィーバーに湧くシーズンオフのドラゴンズ。ところが、われわれドラゴンズファンにバシャッと冷や水を浴びせたのが、昨年末に発売された『週刊ベースボール』の特集「球界大展望2019」だった。
特集内では各チームの戦力をAからEまでの5段階で判定しているが、昨年Aクラスの広島、ヤクルト、巨人は「B」、DeNAは「C」、最下位だった阪神も「C」だってのに、中日ドラゴンズは途中の「D」をすっ飛ばして「E」判定! なんでだよ! ドラゴンズは広島に勝ち越してんじゃん!
昨年、リリーフ陣が完全崩壊してしまったのも、逆転負けが38回もあったのも、四死球が減るどころか増えてしまったのも、神宮球場や東京ドームでひどい目に遭い続けたことも、なんならブルペンとベンチの意思疎通がうまくいってなかったこともドラゴンズのファンなら十分わかってる。チームの勝ち頭だったオネルキ・ガルシアが流出したのもわかってるよ!
もうマイナス面を並べ立てるだけの記事にはうんざりだ。だからといって口当たりのいいスイートな言葉だけを並べる気もさらさらない。グッと唇をかみしめつつ、「E判定からの逆襲」を果たすために2019年のドラゴンズがクリアしなければいけない3つのポイントを挙げていきたい。
辛酸を舐めた男たち。リリーフ再生は“SRS”に
まずはリリーフ陣の再生。やっぱりやらなきゃいけないのはここ。人気ツイッタラー・のもとけさんがまとめた球団別イニング別得失点一覧によると、ドラゴンズは9回の失点が62点でダントツのリーグワースト。いかに手痛い逆転を食らい続けたかがよくわかる。
リリーフは、鈴木博志、ジョエリー・ロドリゲス、佐藤優の“SRS”に任せたい。順番は問わない。ドラゴンズファンは水と安全と岩瀬はいつもそこにあるものだと思っていたフシがあるが、岩瀬が引退した今、盤石の守護神が登場するまでの最終回はローテでもいいんじゃないだろうか。
左腕史上最速159キロを叩き出したロドリゲスに任せたい気持ちもあるが、松井佑介によると打たれた後は死ぬほど落ち込むそうなので、もう一皮剥ける必要がありそうだ。それなら岩瀬と浅尾の引退試合でセーブ機会を潰してしまい、レジェンド左腕に「起こったことは許さない。だけど、これからのプレーで見返してみろ」と言われて涙をこらえた佐藤優の成長に託したい。守護神奪還を目指す鈴木博にも期待大だ。
昨年51試合登板の大車輪だった祖父江大輔、終盤はかつての球のキレを取り戻していた岡田俊哉も勝ちパターンに絡むだろう。田島慎二の復活にも期待したいが、まずは見た目を変えることで本気度を示してほしい。
先発では流出したガルシアの穴を新外国人のエンニー・ロメロで埋めることになるが、昨季0勝だった大野雄大が与田剛監督の期待通り170イニングを投げきることができれば、自然にガルシアの穴は埋まるだろう。昨年、辛酸を舐めまくった投手陣たちの奮起を待ちたい。