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「無責任では?」と問いかけられると……

櫻井翔「2年近くをかけて感謝の思いを伝えていく期間を設定した。これは我々の誠意です」

二宮和也「リーダーが悪者に見えているのであれば、我々の力不足」

「無責任では?」と問いかけられると、櫻井さんがマイクを握る。声音が変わって早口になり、眉が上がり憤りが感じられるが、質問に異を唱えることなく「たくさんのパフォーマンスを見てもらい、その姿勢と行動をもって無責任かどうか判断していただく」と返した。

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 二宮さんも、「リーダーが悪者にされるのでは?」と聞かれて、声のトーンを強めた。5人でこそ嵐、5人は一蓮托生というメッセージであった。

リーダーの大野さん ©文藝春秋

 5人が言外で見せたメッセージも、その言葉を裏付けていた。

 彼らの仲の良さは評判だ。とはいえ、リーダーの大野さんの「自由な生活がしたい」という思いがきっかけとなって活動休止を発表するに至るわけで、互いの人間関係に変化はなかったのだろうかと、会見を見てみた。

 舞台上に並んだ5人の立ち位置がとても近い。話している間も時おり互いに肩や身体がぶつかることもあれば、身体を寄せることもある。互いの関係が悪ければ、たとえ立ち位置が近くても、無意識のうちに相手から身体を遠ざけたり、相手の方を見なかったりするものだ。だけど彼らは笑い合い、声を掛け合い、いつもの嵐と変わらない。SMAPの会見では、見られなかったことだ。

「5人でなければ嵐でない」

 コーディネートでも仲の良さを印象付けていた。それぞれが違う色のジャケットを着て、シャツとパンツを合わせているが、5人並ぶとそれぞれの着ている色が誰かの色と被っている。5人揃って1つの和になるようなコーディネートがされていた。

嵐の「活動休止」会見について伝える翌朝のスポーツ新聞各紙

櫻井「どれだけ時間をかけても、全員が納得する形の着地点を探していかなきゃならない」

二宮「5人でなければ嵐でない。リーダーの思いを尊重する形で結論に至った」

松本「グループ活動を続けることはメンバーの強い思いがあってこそ」

相葉雅紀「ちょっとでも同じ方向を向いていないリーダーをずっと付き合わせるのは違うと思った」

 話し合いはそれぞれが納得するまで、何度も持たれたという。これまでも5人で話し合ってきたという嵐は、凝集性が強いグループだ。メンバー同士が親密で、互いに引きつけられ、グループとして強く動機づけられていたと言える。そのため、違う方向を向いてしまったメンバーを抱えてしまえば、そのままグループ活動を続けることが難しくなる。納得した形での活動休止を強調するメンバーたちに、言葉と裏腹となるような仕草や動きはない。本当に納得しているのだと思う。