1月27日、突然、日本中に予想だにしなかった嵐が吹き荒れた。国民的アイドルグループの「嵐」が、2020年12月31日をもってグループとしての活動を休止すると発表したのだ。
活動休止が最初に発表されたのは、ファンクラブの会員限定サイトだという。ネットニュースで知っただけの身としては、いったい何が起きたのかわからない。わからないから、あることないこと思いを巡らせるしかない。
そして当然のごとく、あの国民的アイドルグループの解散と重ねてしまう。そう、SMAPだ。彼らが行った1度目の会見が思い出されてくる。解散はしないと言いつつも、メンバーの表情は硬く厳しかった。その場には、ヒリヒリするような緊張感さえ漂っていた。もしかして嵐もそんなことになっているのではないだろうか……そう思ったのだ。
発表から会見までのスピードが肝心になる
だが、そんな憶測も嵐の会見で見事に吹き飛ばされた。その1つは、会見のタイミングのよさにある。
大野智「先ほどファンのみなさまに向けてコメントを発信させていただきました」
会見が行われたのは、会員限定サイトで活動休止を発表してからわずか数時間後。謝罪会見とは異なるが、こういう場合も発表から会見までのスピードが肝心になる。発表から時間が経てば経つほど、何がどうなっているのか、知りたい欲求が雪だるま式に膨れ上がってくるからだ。
会見が遅れれば、まことしやかな情報や憶測、噂が流れ始める。今回はそんな噂が広がる時間すらなかった。同時に、ファンの不安や心配も大きくならないうちに払拭した。事前に情報が漏れないようコントロールされていたことも大きかった。
自分たちの言葉で率直に素直に話した
大野「僕たちの口から皆さまへお伝えさせていただきたく、この場を設けさせていただきました」
松本潤「ファンの皆様、僕らはそれぞれ色々なことを話し合った中で決断を出しました」
彼らは一番にファンの目線を大事にし、自分たちの言葉で率直に素直に話した。隠し事をすることなく、リーダーの大野さんから話が出た時期、ここまでの経緯などをきちんと説明するという姿勢を見せた。会見で誠意を示すには重要なポイントになる。ファンが不安になるような表現もない。質疑応答では記者に対して5人全員が一礼していた。