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一般ランナーに混じって皇居の周りを走っています――「皇宮警察」を知っていますか?

皇宮警察・青木拓哉巡査長皇宮巡査インタビュー#2

2019/04/29

genre : ニュース, 社会

note

「学校を卒業するときに天皇陛下からお言葉をいただく」

――華道や茶道はなんとなくイメージできるんですが、詩吟に短歌とはすごいですね。体験してみていかがでしたか?

青木さん いやあ……私は芸術に疎い部分もあって先生に叱られながらという感じでしたね。でも、すごい新鮮というか、皇宮警察に入らなかったら絶対触れることのない世界ですから。視野が広がった……というと言い過ぎかもしれないですが、非常にいい経験になりました。

――皇宮警察に入って特に驚いたこと、カルチャーショックのようなものはありましたか。

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青木さん 何が驚いた、と言われると難しいのですが、やはり入ってから知ることばかりでしたね。特に警察学校を卒業するときに天皇陛下をはじめ皇族の各殿下からお言葉をいただく機会があるんです。その時はこういう機会もあるんだということで感銘を受けましたし、皇宮護衛官としての自覚が生まれたというか。あとは皇族の方々は被災地にもよく行かれていて、本当に国民のことを考えていらっしゃるんだなということも実感しましたね。

皇居正門前に立つ皇宮警察

――直接陛下からお言葉を頂く機会があるというのは素晴らしいですね。身が引き締まりそうです。
 ただ、ちょっと意地悪なことを聞くと、警察の花形のようなイメージのある刑事とか交通警察の仕事はないわけですよね。そのあたりの物足りなさはなかったのでしょうか。

青木さん そういう違いというのもはっきりとわかったのは入ってからなんですよね。ただ学校では普通の警察と同じようなこともやりますから。だから柔道か剣道のどちらかを選んで卒業までに初段を取らないとダメ。私は柔道を選んだのですが、学生時代ずっと野球をやっていたので個人競技の柔道になかなか馴染めなくて(笑)。柔道でも団体戦はあるんですけど、野球みたいなチームスポーツとは違いますからね。そこは、同期に柔道経験者がいるので教えてもらったりして。

皇宮警察の道を志してから、柔道を始めたという青木さん
週に数度、皇居内の道場で練習に取り組む