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「先生なんて、やめてよ……」ケイタイモ×TOSHI-LOW、本を書いた2人が語るお仕事の話

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MV制作は「ちょっとしたジブリ」

ケイタイモ でもいつもTOSHI-LOWは俺の上を行くじゃん。あのときもさ、俺は「先生なんて、やめてよ」と言いながら、ちょっと優越感に浸ってたわけよ。

TOSHI-LOW トキワ荘に住んでる先生の感じだよ。すばらしいですよ。この本は……売れているの?

ケイタイモ ……わかんないけど、『鬼弁』ほどじゃないんじゃないかな。

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『鬼弁~強面パンクロッカーの弁当奮闘記~』(TOSHI-LOW 著)

TOSHI-LOW すみません、こっちは重版、重版で(笑)。

ケイタイモ なんだよ、あの日の打ち合わせにも遅刻してきてさあ(笑)。

TOSHI-LOW 30分ちょい遅刻したね。でも『Traveler』のMV、すばらしかったですよ。涙が出たよ。

ケイタイモ まじで?

TOSHI-LOW すごいね。まずね、OAUメンバーのマーティンからの「日本語で歌詞を書け」という注文がきたんだけど、それがめちゃくちゃ難しかったのよ。「子どもでもわかる言葉で、一生を表してくれ」と言われて。「え~~! 何、人間の一生って!」と思って。それをそのままケイタイモに伝えた(笑)。そういうMVを作ってくれと。難しかったでしょ(笑)。

ケイタイモ 今日も映像出しをしてくれている編集の高梨喜芳と、背景を描いたり色を塗ったりしてくれた長谷川健太郎とプロデューサーのノイズ中村とチームを組んでつくったんだけど、制作に丸3カ月かかったよ。

 

TOSHI-LOW ちょっとしたジブリだね。

ケイタイモ ちっさなジブリ(笑)。12コマで1秒の世界だから、1日どんなに頑張って描いてもちょっとしか進まない。全部で2800枚くらい描いた。ipadで描いてるんだけど、最後ペンが壊れて、インスタで毎日更新している『家も頑張れお父ちゃん!』も描けなくなっちゃって。

TOSHI-LOW その大変さを踏まえて、見てみましょう。

(『Traveler』のMVが流れ、会場拍手)

ケイタイモ 音楽だってそれなりに産みの苦しみがあるじゃない?でもこれが完成して「終わった~」っていうとき、本当に感動して。あのやり遂げた感はすごかった。それでTOSHI-LOWに送ったら、まさかの修正の嵐。

TOSHI-LOW アハハハハ! でも直してよくなったじゃない。

ケイタイモ そうなんだけどさ(笑)