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東京五輪への「旭日旗持ち込み」問題 新聞社説が“賛否両論”真っ二つに分かれた理由

あなたはどの社説の考えに近い?

2019/10/18
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日韓どちらも、政治家が引くに引けない様子がわかる

 政府は韓国からの持ち込み禁止要請に対して「持ち込み推奨」はしていない。禁止はできないという意味での容認だが、しかしそれをいいことに当てつけで持ち込む人が出たらどうするのか? これが「東京」「北海道」の懸念なのだと思う。確かにその旭日旗には「大漁旗」のような大らかなめでたさは発生しない。

©ロイター/AFLO

「あなたはどの社説の考えに近い?」と最初に書いたが、旭日旗に関しては「東京」「北海道」の論考が私には参考になった。ポイントは、本来は融和にあたるべき政治家が引けない状態になっていること。

 たとえば8月に日韓政治家の「事情」が書かれている記事があった。

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 日本は、

《強気の姿勢の背景には、安倍政権の支持層の存在もある。政府内には保守層を念頭に「ある一定の層にうける」「韓国に屈すれば、政権への支持が一気に落ち込む可能性がある」といった見方があった。》

 韓国は、

《保守系の政治学者からは「危機をあおり、日本を敵に見立てて政治的なプラスを得ようとの動きだ」との声も上がる。》

 これは「輸出優遇除外、対立激化」(朝日・8月3日)という記事に書かれていたものだ。どちらも政治家が引くに引けない様子がわかる。

2019年8月、北京で開催された日韓外相会談 ©AP/AFLO

 それなら思うのだ。せめて民間レベルでは「相手が嫌がるものは持ち込まない」「わざわざトラブルになりそうなことはしない」という大人の態度が必要ではないかと。