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中川 充四郎
2017/04/19

【西武】開幕から一回りで感じたパ・リーグ5球団の「強み」と「弱み」

文春野球コラム ペナントレース2017

 ペナントレースが始まって半月あまりが経過し、パ・リーグは各球団すべてとの対戦が終わりました。ここまでの成績が昨季のAクラスとBクラスが完全に入れ替わっているのが特長といえます。まだ10数試合を戦ったばかりですが、西武も順調なスタートを切ることができ、辻発彦新監督の目指す野球を各選手が理解し、実践している試合が続いています。

 選手の足がしっかり地に着いていてベンチやファンに不安感を与えません。これが昨季と比べての大きな違いです。打線も中軸が期待に応え、得点力を上げています。やはり給料の高い選手が額面通りの仕事をすると、全体の雰囲気も良くなるのは当然のこと。

順調なスタートを切ることができたライオンズ ©中川充四郎

5球団との対戦を終え、それぞれの印象は

 5球団と対戦して個人的な感想を述べさせてもらいます。まず、昨年の日本一の日本ハム。開幕カードで勝ち越しましたが、守備の乱れが目に付きました。とくに3戦目の5回には信じられないプレーが続出。送球や捕球ミスから暴投、ボークまで。また記録には表れませんでしたが、一、三塁の場面でのサインプレーに投手がカットし三塁走者が飛び出しても送球できない、ベンチがあ然とするようなミス。このような負の連鎖、昨季までは感じられませんでした。もちろん、このままということはありえませんが。

 2カード目はオリックス戦。開幕カードで3連敗していたチームでしたので「イヤな予感」がしましたら案の定2連戦、2連敗。これまでも手を焼いたブランドン・ディクソン、松葉貴大の両先発投手を攻略できませんでした。どのチームにも苦手投手が存在しますが、上位を目指すには何らかの手立てが必要です。ただ、どちらも西武の先発投手(多和田真三郎、髙橋光成)の自滅の感がありましたので、しっかりゲームメイクすれば苦手チームにはならないでしょう。

 そして、3カード目はここ何年もやられっ放しのソフトバンク戦。このチームとの対戦成績がペナントレースのカギを握っているとハッキリ言えます。初戦で和田毅に抑え込まれ、ここでも「イヤな予感」が。しかし、これは見事に外れ2、3戦目で連勝しカード勝ち越し。この連勝は大きかったと思います。ここでズルズル行ってしまうと立て直しも難しかったのではないでしょうか。ホークス打線の印象では、それこそやられっ放しの「主人公」松田宣浩が元気なく、3試合で12打数1安打に抑えたのがポイントになりました。

 4カード目の楽天戦は、カード2連戦の予定が1試合雨で流れたため、1試合だけの対戦でした。先発多和田が初回に3点を失い、大きなハンデになりましたが中盤に逆転。9試合目にして待望の一発(おかわりも)が飛び出した主砲・中村剛也と新主将・浅村栄斗の5安打がチームを引っ張りました。今季の楽天打線の怖さは実感しました。2~4番の外国人トリオの破壊力は要注意です。ただ、投手力が安定していないので、長いシーズンはどうか、ですね。

 対戦カード最後の相手はロッテ。初戦、1点ビハインドで迎えた9回表の2死から飛び出したエルネスト・メヒアの逆転2ラン。8メートルを超す逆風をものともせず、風がなければ東京湾に飛び込む「スプラッシュ・ヒット」になっていたかも、はちょっとオーバーでしょうか。1勝1敗で迎えた3戦目は今季最多の16安打、10得点でカードを勝ち越しましたが、角中勝也が不在のロッテ打線の元気のなさが気になりました。

チーム防御率は12球団トップ

 さて、我が埼玉西武ライオンズ。ここまで戦って投手陣のレベルアップが印象に残っています。チーム防御率が12球団トップの2.55は誇れる数字。先発組で目を引くのがブライアン・ウルフで、登板試合ですべて勝ち3勝無敗。登板日の曜日から「サンデー・ウルフ」も定着するかもしれません。あの動きながら落ちるタマに相手打者はゴロの山を築いています。他の先発組の菊池雄星、野上亮磨もまだ1勝ながらもしっかり試合はつくっています。あとは多和田、髙橋光の「裏ローテ組」次第です。

開幕から3連勝中のブライアン・ウルフ ©中川充四郎

 チームはここまで6連戦がなく、24日からの週が初めて6人の先発投手が必要になってきます。そこに誰が入るのかも気になるところ。中継ぎ、抑え陣に関しては「新方程式」では牧田和久、ブライアン・シュリッター、増田達至に7、8、9回を任せることになります。他に左では武隈祥太、右では大石達也が安定しており、昨年までの課題が解消されそうです。

 そして、何といってもルーキー・源田壮亮遊撃手の加入がチームに活力を与えています。守備範囲の広さ、送球の早さ、正確さは新人とは思えません。打力の評価は低かったものの、最近は2番に起用され勝利にも貢献。昨年まで3年連続Bクラスの原因はディフェンス面のもろさ、と明確でした。打撃陣は定評があります。シーズン前は「目標! Aクラス!」でしたが、ちょっと欲張ってみたくなっている昨今です。

 ※数字、成績は4月16日現在

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※「文春野球コラム ペナントレース2017」実施中。この企画は、12人の執筆者がひいきの球団を担当し、野球コラムで戦うペナントレースです。

対戦中:VS 東北楽天ゴールデンイーグルス(かみじょうたけし)

※対戦とは同時刻に記事をアップして24時間でのHIT数を競うものです。

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