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常井 健一
2017/04/30

ムネオの娘が語る「父と世襲」

有名すぎるオヤジの「七光り」と「十字架」を問う

genre : ニュース, 政治

 あの男が国会に帰ってくる……かもしれない。

 鈴木宗男(69)である。

 北海道開発局発注工事を巡る受託収賄など4つの罪で実刑が確定し、刑期満了から5年にわたって停止されていた公民権(選挙権・被選挙権など)が4月30日、回復したのだ。永田町では、衆院選か、参院選か、どちらで復権を試みるのか、政界関係者たちは固唾を呑んで見守っている。

鈴木宗男氏 ©山田真実/文藝春秋

 2010年に議員バッジを外して以降も根強い人気がある。現在も国会の近くに事務所を構え、今年4月には安倍晋三首相の訪ロ直前にモスクワでロシアの外務次官と会談。安倍首相と連絡を密に取り合い、ライフワークである「北方領土返還」に向けて存在感を発揮している。

「鈴木宗男は言わば、モンスター政治家」

鈴木貴子氏 ©白澤正/文藝春秋

「政治家・鈴木宗男は言わば、モンスター政治家、普通の政治家じゃない。天国も地獄も味わった、特別な、絶滅危惧種的な存在です。いよいよ、公民権停止が明けましたが、政治家・鈴木宗男はこれまでと何も変わらない。今までだって、政治家として『現職』ではないけど、『現役』でした。選挙の時に候補者の応援はできなかったけど、それ以外のことは現職時代と同じことをしてきました。だから、公民権停止が明けても、変わらない。

 でも、そんな鈴木宗男がいよいよ国政の場に戻るチャンスが到来するというワクワク感はありますよね。私も鈴木宗男のことを(新党大地の)『代表』ではなく、『代議士』と呼んでみたい。どこの選挙区からどのような形で出るかは難しい問題ですし、私のほうは次期総選挙に自民党から出ると決まっている立場ですので発言の仕方を非常に考えなければいけないのですが……」

 そう饒舌に語るのは、長女で衆院議員の鈴木貴子(31)である。

 12年、鈴木宗男が代表を務める新党大地から衆院選に挑戦して落選した後、13年に比例区で繰り上げ当選。14年の衆院選では民主党から出馬して比例区で復活当選した。16年には民主党を離党し、無所属の立場で自民会派入り。次期衆院選は自民党公認で出馬する予定だ。

 政界きっての寝業師として知られ、機を見るに敏なオヤジと二人三脚で歩んできた政治家人生。「ムネオの娘」として注目され、昨年、結婚した際には一般紙が挙って取り上げた。若手議員の中では群を抜く知名度を誇るが、その素顔は「有名すぎる父親」の陰に隠れ、あまり明かされてこなかった。

 鈴木貴子とは何者なのか──。

 それを探ろうとしたインタビュー当日、ワイドショーでは中川俊直氏の重婚&ストーカー疑惑が大々的に報じられていた。彼も第二次森政権の官房長官だった秀直氏を父に持つ三世である。世襲議員に対する逆風が吹きつける最中、「ムネオの娘」と政治権力の世襲について考えてみた。

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