昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

辻田 真佐憲
2017/06/05

前川前次官もびっくり!? 官僚マニア垂涎の『月刊官界』を知っていますか?

官僚グラビアから天下り先の解説まで網羅した“伝説の雑誌”

 学生時代は東大の寮でカビを食い、就職後も身のまわりに無頓着で同じ靴下を一ヶ月履きつづけた――。

 かつて、このような官僚たちのどうでもいいエピソードを満載した雑誌があった。1975年11月から2005年2月にかけて刊行された『月刊官界』がそれである。

めくっても、めくっても、ひたすらスーツ姿の中高年男性ばかり

 名物コーナーの「官界人脈地理」では、中央省庁の幹部が、顔写真、学歴、採用年次、性格、素行、趣味などとともに詳しく紹介された。そこに花(?)を添えたのが上掲のごときエピソードだった。

 いわく、キャバレー通いで課内の研究会予算を赤字にした。いわく、皇居一周を27分で走破した。いわく、ゴルフでホールインワンを2回達成した。いわく、演歌を700曲、軍歌を150曲憶えていた――。

 どうでもいい話ではあるものの、それぞれの人柄がよく伝わってくる。

 同誌には、ほかにも、部局、審議会、労組、サークル、記者クラブ、はては天下り先の紹介コーナーまであったが、きわめつきはやはりグラビアのコーナーだろう。

「霞が関のスーパーエリートたち」などと銘打って、各省庁の事務次官、官房長、審議官、官房三課長などの全身写真が延々と巻頭を飾ったのである。めくっても、めくっても、ひたすらスーツ姿の中高年男性ばかり。

『月刊官界』の巻頭グラビア。有名な大物官僚の名前も

 事務室での写真だけではなく、なかには、通勤途中の写真や朝の体操中の写真まである。さすがにカラーではないが、こんなに脂っこいグラビアもそうそうない。

『月刊官界』には「官界人脈地理」の地方版というべき「地方自治体人脈図」というコーナーもあって、県庁や政令市の幹部の動静まで取り上げられた。

 官僚の動静は今日でも雑誌などで記事になるとはいえ、ここまでの頻度と精度で追求したものはほかに見当たらない。まさに官僚マニア垂涎の雑誌である。

はてなブックマークに追加