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創業56年の“密かな人気店” 所沢の中華料理屋で「400円のラーメン」を頼んだら、常連に愛される理由がわかった!

B中華を探す旅――所沢「栄華」

2020/05/22
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昔ながらのラーメンは400円。そのお味は……

 それにしても驚くべきは、400円という値段だ。少し前までは350円だったという。ちなみに餃子は250円。こんなに安くて採算が取れるのかと、余計な心配をしたくなってくる。

「うちの人が上げないんですよ。うん。もう昔の値段のままできてるんで」

 そんなことばからも、孝さんに対する初子さんの信頼感が窺える。なお孝さんの不在時は初子さんが調理を担当するようで、厨房に入ってからほどなくして、昔ながらのラーメンを持ってきてくださった。

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 ラーメンは、どこからみても昭和そのものの、昔ながらのスタイル。見た目よりもすっきりとした味わいのスープが、とくに印象的だ。よい意味で「普通」であり、だからこそ常連さんたちに信頼されてきたのだろうなと推測できる。

 これを食べ終えたら、そろそろ帰らなくちゃいけないんだな……。

 
 

 一抹の寂しさを感じながらスープを飲んでいたら、孝さんが戻ってきた。そこからまた、常連男性と私を含む4人での世間話になり、フェイスブックの交換やスマホでの撮影会が始まる。

 ここは、とてもいい店だな。

本当に映画に登場していた!

 訪れたあの日から短期間の間に、新型コロナが世の中の空気を一変させてしまったが、終息したころに改めて伺ってみたい。

 なお、先ほど映画に出てきそうだと書いたが、初子さんによると、木村拓哉と二宮和也が共演した原田眞人監督作品『検察側の罪人』という映画の撮影に使われたとのこと。確認してみたら、たしかにクライマックスの場面に登場していた。

 

 撮影=印南敦史

INFORMATION

栄華
埼玉県所沢市御幸町2-15
営業時間 11:00~22:00
定休日 不定休

餃子 250円
ラーメン 400円

創業56年の“密かな人気店” 所沢の中華料理屋で「400円のラーメン」を頼んだら、常連に愛される理由がわかった!

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