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「結婚はこの世の楽園です」愛妻家芸人・平子祐希が“仲良しボケ”を続ける本当の理由

『今日も嫁を口説こうか』より #2

2020/11/14
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「夫婦になる」ということは「老いていく姿を見せ合える、唯一の相手を選ぶ」こと

 妻を差し置いて、若い女性に走ってしまう男性の多いことに驚く。そんな男たちは口を揃えてこう言う。「妻の容姿が老化によって衰え、異性として魅力を感じなくなった」と。

 ここで僕は断言しよう。老いることで容姿が衰えることなどあり得ない。むしろ連れ添った長さに比例し、老化は愛しさに変わるのだ。

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 真由美も40歳となり、体の衰えを嘆くボヤキをよく口にしている。だけど違う、そうじゃない。目元や口元に走るシワは、一緒にどれだけ笑い合ったかの証し。髪に混じる白いものは長年僕を思い、案じた証し。可愛い下腹の膨らみは、記念日ごとに奮発して食べた焼肉やケーキの名残。

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 全ては共に生きてきた証しの数々。どれもが愛すべき夫婦の足跡であり、衰えなどであろうはずがない。

「夫婦になるということ」は「老いていく姿を見せ合える、唯一の相手を選ぶこと」でもある。こと女性という生き物においてその選択肢から選ばれた貴方は、とてつもなく特別な相手にほかならない。

 どうかそれらを指でなぞりながら愛でてほしい。

「一緒に笑いすぎたね」

「いっぱい心配かけちゃったね」

「記念日いっぱいだね」

 と。

 そして最後は優しくスッと抱き寄せ、「一緒に年を重ねる相手に選んでくれてありがとう」と感謝を伝えてほしい。

 さあ。貴方の目に、それらはまだ衰えに映るだろうか?

外でモテたいならば、まず嫁にモテよ

 男はいくつになっても「モテたい」と足掻く。もちろん女性も同じだろうが、男の場合はそのベクトルが外へと強く向きすぎている。自身の家庭をないがしろにし、若さだけに執着してしまう。そこまでモテたいのであれば、まずは嫁にモテることが近道だ。嫁にモテている男性は、確実に外でもモテる。いちばん近くにいる女性にモテない男が、外でモテるはずがない。

 ある程度大人になると、女性は男性の余裕の部分に惹かれ始める。無駄にがっつき、闇雲にギラつき、外で自分の妻をこき下ろす男など、惹かれるどころか嫌悪の対象以外の何ものでもない。

 若い女性に広く浅くモテたいという考えは、オスが持ち合わせる本能だろう。外での火遊びに一過性の楽しさがあるのもわかる。ここで「わからない」などとカマトトぶってはいけない。しかし外に向けた本能に躍起になりすぎるさまは、あまりにもダンディじゃない。