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1日2時間の睡眠も当たり前…29歳の元アイドルの「『ゴーカイジャー』とアイドル活動を両立していたあの頃」

元Tomato n' Pine・小池唯さんインタビュー#2――アイドル戦国時代を振り返る

2020/12/12
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戦隊シリーズの現場はめちゃくちゃ厳しかった

――小池さんは『海賊戦隊ゴーカイジャー』(11年2月~12年2月)のゴーカイピンク(アイム・ド・ファミーユ)に選ばれます。前々作の『侍戦隊シンケンジャー』でも最終審査まで進んでいたんですよね。

小池 その頃はいくつもオーディションを受けていたので、ひとつひとつの結果に落ち込まないようにしていたんですけど、『シンケンジャー』はそうじゃなくて。最終審査まで進んで、私とすーちゃん(森田涼花)で悩んでいることが分かっていたんです。結果を知って、目の前にあったチャンスを掴めなかった悔しさをしばらく引きずりました。

『ゴーカイジャー』のオーディションでも最終まで行った時に「もうあんな想いはしたくない」と思って。ただ、すでに決まっていた真央ちゃん(市道真央)がイエローとピンクのどちらをやるのかによって、私が決まることになっていたんです。もし真央ちゃんがピンクだったら私は選ばれていなかったので、ゴーカイピンクになれたのは運が重なった部分もあったのかなと思います。

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――戦隊シリーズの現場は厳しいと聞きます。

小池 おじいちゃんのカメラマンさんがめちゃくちゃ厳しい方で、戦隊シリーズに入った俳優はみんな洗礼を受けるんです。とくにゴーカイレッドの小澤(亮太)くんが集中砲火を浴びて、カメラマンさんの怒号が飛ぶなか、何度も同じシーンを撮り直されていました。私たちは自分のシーンが終わっても、JACさんのアクションシーンを観ていたんです。スーツアクターの方と一心同体にならないといい作品にならないので。

 1年という長い期間にわたってひとつの役を演じたことが初めてだったので、『ゴーカイジャー』で「現場」を知ることができました。戦隊シリーズという特性上、普通はできないことも経験できてありがたかったです。

――戦隊のメンバーとは仲良くなりましたか?

小池 仲が良すぎて、まわりを困らせるくらいでした(笑)。撮影が終わってメイクを落としたら、なんとなく廊下にあるベンチに集まってゲームをしたり、ご飯に行ったり、常にみんなと一緒にいたんです。

――過酷な環境に置かれているからこそ関係が深まったんでしょうね。

小池 あの1年間は、家族よりも会っている時間が長くて、一緒にいて当たり前の存在になっていたんです。