高校在学中に妊娠し結婚をするも、出産わずか2ヵ月後にDVが原因で離婚。1人で娘を育てていくために上京しAV女優になったという当真ゆきさん。AV女優と風俗嬢の仕事を掛け持ちしながら一人娘を育て上げた当時の心境や家族との関係を、寺井広樹『AV女優の家族』(光文社新書)で語っている。
AV女優たちが抱える家族へのカミングアウトの瞬間を、一部抜粋して転載する。
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再婚するも「どうしてもダメ男に育てちゃう」
「娘が小学校に上がった頃かな、当時働いていたデリヘルの店長とお付き合いすることになって、3年程お付き合いした後、結婚しました。デリヘルのお店もAVも全部辞めて、主婦になりました。その時に、昔は美容師になりたいっていう夢があったので、やっぱり美容関係のお仕事をしたいと思ってネイルの学校に通って、その後ネイルサロンで働いてました」
──新しいお父さんができて娘さんの反応はどうだったんですか?
「喜んでたと思います。向こうもバツイチだったんで、子供の扱いが上手というか、子供に好かれるためには自分がどうしたらいいかっていうのがわかってたんで、多分娘からの印象はよかったと思います」
──よかったですね。
「それがよくないんですよ。気がついたらお店閉めて、仕事辞めてました」
──えっ、それはどうして?
「私とずっと一緒にいるためです。なぜか物凄い束縛男になってしまって。ネイルサロンで働いている時も、同僚もお客も女の子しかいないのに、『そのネイルの子と終わったらご飯食べて帰るね』っていうのもダメで。私の仕事のシフトの時間を全部チェックして、仕事が終わってネイルサロン出たら店の前にいる、みたいな」
──心配で心配でしょうがない、みたいな?
「そうです、そうです。でも、付き合ってる当初にその雰囲気はなかったんです。自由だったんです。いろんなことが自由だし、色々やってくれるし、『よし、いい人見つけた!』と思って結婚したら、変わっちゃったんですよね。働いてくれないんでネイルサロンとキャバクラを掛け持ちしました。彼はお付きの人みたいにずっと私について回って、仕事の送迎とかしてましたね。そんなことするヒマあったら働いてくれ、みたいな。そのことで揉めに揉めたんですけど、娘には言い争ってる姿を見せたくなくて。記憶に残るじゃないですか。言いたいことがあっても娘が起きてる間は我慢して寝静まってからケンカしてましたね。結局2年で離婚しました」