昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

知られざる「個人撮影AV」ブームの実態 “古株”制作者兼男優が打ち明けた

投稿急増でトラブル相次ぐ

2020/03/28

source : 週刊文春デジタル

genre : ライフ, 社会, 娯楽

 男性の欲望を満たす性的動画で今、「個撮(個人撮影)」と称されるジャンルが急速に存在感を増している。

 従来の、主に法人組織によって制作されたアダルトビデオ(AV)とは異なり、1人、もしくは数人によって制作される動画で、DVDなどにパッケージ化するのではなく、ネット配信のみで稼ぐ。その実態はこれまでのAV業界以上に見えにくく、出演トラブルなど逮捕事案も発生している。

インタビューに応じた「個撮」を手掛けるA氏(筆者撮影)

 今回インタビューに応じたのは、これまで5年以上副業として「個撮」を続けているA氏(男性、50代)。A氏は男優役として自ら出演しながら撮影し、その後の編集、モザイク処理、配信までをこなす。ほかの同業者とも交流があり、新規参入したいという若者にノウハウも伝えてきた、この業界では“古株”ともいえる存在だ。A氏の証言を通して「個撮」の世界の内実を明らかにしたい。

ツイッターで“女優”募集、報酬は現金払い

――まず、「個撮」に出演する女性をどのように募集しているのでしょうか。

「僕の場合は、主にツイッターです。『動画に出てくれるモデルを募集している』とアカウントに書き、出演条件の詳細は『固定されたツイート』に設定して、常時掲載するようにしています。そうするとポツポツと、ツイッター経由でメッセージが入ってきます。

 私が始めた6、7年くらい前は、ツイッターなどのSNS以外に、出演する女性とカメラマンをつなぐために設置された、ネット掲示板を使っていました。その書き込みに、女性側が『追加あり』『オプションあり』などと書いている場合は、キスやそれ以上の性行為などができることが多かった。

 出演してくれた女性の年齢層は幅広くて、20歳から上は60代まで。私の場合は、20歳以下の女性は対象にしていません。新規の女性を獲得しつつ、馴染みになったモデルの女性も撮影しています。月2回ぐらいは撮影しています。

 従来のAVには、作品として物足りない思いをずっと持っていました。また、自分だけしか創作できない何らかの作品を発信したい気持ちも強かった。私が40代の頃、ビデオカメラが進化し、テープからデジタルになりました。撮影やモザイク処理などの編集が楽になったことから、個撮を始めました。以来、マイペースで個撮を続けています」

A氏は男優役として出演しながら撮影、編集、配信まで1人でこなす(写真はイメージ) ©iStock.com

――未成年ではないかどうか、年齢確認はどのようにしていますか?

「女性には顔写真が入った運転免許証や学生証を手に持ってもらった状態で写真を撮らせてもらっています。ネンカク(年齢確認)と呼ばれる作業です。気が付かずに18歳未満の女の子を撮影して、児童ポルノとして摘発されるのは怖い。自分の身を守るため、そこはしっかりと押さえています。

 女性の職業は、本当にバラバラです。学生、主婦、OL、ときには元AV女優だったケースもあります。彼女たちに共通しているのは、すぐにお金が欲しいという点に加えて、自己の承認欲求が強くあることだと思います。40代以上だと生活に困窮している方も多い。女性は20代、30代ならば風俗店で稼げますが、40代になるとそれも難しくなる。

 福祉の専門家や貧困女性を支援している方々は、知りたくない情報かもしれませんが、生活保護を受けている女性が応募してくる場合もあります。やはり、自分が好きにできるお金が欲しいと言われます。僕は謝礼を現金払いにしていて、女性からはある種のセーフティーネット的に使われているとも感じます」