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大山 くまお
2017/10/14

自民党の一派閥と化した希望の党 安倍・小池“同じ穴のムジナ”の化かし合い

衆院選スタート! 今週の名言、珍言、問題発言総まくり

小池百合子 希望の党代表・東京都知事
「(排除という言葉を使うのが)早かったわね。もう使わない」

『週刊文春』10月19日号

 名言、珍言、問題発言で1週間を振り返る。衆議院選挙について、各社の世論調査が発表された。はっきりしたのは、安倍晋三首相率いる自民党の優勢と小池百合子東京都知事率いる希望の党の失速ぶりだ。

 共同通信社が10日、11日の両日に行った世論調査では、自民党は公明党と合わせて安倍首相が勝敗ラインに掲げていた過半数(233議席)をはるかに上回る300議席超をうかがう勢いを見せた。自民党単独でも衆院過半数を大きく上回る可能性がある。一方、希望の党は60議席前後と伸び悩んでいる。希望の党から「排除」された立憲民主党は公示前から倍増の30議席台も視野に入れている躍進ぶりだ。ただし、投票先未定は小選挙区で54.4%に上り、22日の投開票に向けて情勢が変わる可能性は大いにある(毎日新聞 10月12日)。

©時事通信社

 公示前は「小池劇場」の影響で希望の党の議席は倍増、あるいは自民党の単独過半数割れの“大負け”という予測も行われていた。わずか数日での凋落ぶりの原因は、希望の党ならびに小池氏の自爆である。

 大きなマイナスとなったのは小池氏の「排除」発言だ。希望の党は民進党の合流希望組に対して、憲法改正と安保法制で“踏み絵”を踏ませた上、小池氏は「(民進党内のリベラル派が)排除されないということはない。排除致します」と言ってのけた(『週刊文春』10月19日号)。これまで“排除された側”として森喜朗元首相や石原慎太郎元都知事、内田茂前都議らと戦って、喝采を浴びてきた小池氏が、“排除する側”に回ったのだ。

 フジテレビ解説委員室シニアコメンテーターの鈴木款氏の指摘がわかりやすい。「小池氏は、『男社会のいじめに立ち向かう女性』のイメージ作りで、幅広い支持を集めることに成功してきた。しかし、『いじめる側』になったことで、自らのイメージを大きく毀損し、逆に『感じが悪い女』『独裁者』のイメージがついてしまった」(ホウドウキョク 10月12日)。自らが掘った墓穴に、小池氏は冒頭の言葉のように後悔しているという。

 小池氏と希望の党は「排除の論理」によって、旧来の民進党支持者のみならず、無党派層からも敬遠されるようになった。さらに、政権選択選挙と位置づけながら小池氏本人が首相候補として衆院選に出馬しないこと、小池氏が特別顧問を務める「都民ファーストの会」の「ブラックボックス化」への批判などもマイナスに働いた。

 また、6日発表された希望の党が公約として掲げる「12のゼロ」の「満員電車ゼロ」「待機児童ゼロ」「ブラック企業ゼロ」「花粉症ゼロ」などが多くの人たちの失笑を買ったことも失速の理由の一つだ。そもそも「花粉症ゼロ」ってどうやって実現するの? 「目指す」だけで公約実行だと思ったら大間違いである。たぶん話題にさえなれば何でもいいと思っているのだろう。飯島勲内閣参与(特命担当)は、ズバリ「小池のウソは、確信犯だ」と断言している(プレジデントオンライン 10月13日)。焦りの色が見えてきたと言われる小池氏。はたしてこのままで終わりということがあるのだろうか?

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