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デビュー30周年を迎えた観月ありさが「この仕事に向かないかも」と思っていた時

source : 電子書籍

genre : エンタメ, 芸能, テレビ・ラジオ

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「でもクランクアップすると、すごく達成感があって、自分の中では何か残っていて、自分の中の引き出しがふえてく。『こういうこともできたな』『ああいうこともできたな』と。目の前にあることを乗り越えて乗り越えていく30年だったのかもしれない。ど根性だよね(笑)」

 彼女は、連ドラ主演29年連続という記録を持っている。この輝かしい経歴の中、仕事を辞めたいと思ったことはあるのだろうか?

「思っているのよ。10代と20代の頃かな。『この仕事は、なんか私には向かないかもしれない』と思い出した時もあって。芸能しか知らないし、外の世界に興味があって。海外留学するとか、裏方に回るとか、自分の環境を変えた方がいいんじゃないかと考えたことも。

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2006年 主演ドラマ「CAとお呼びっ!」の衣装での撮影 文藝春秋電子書籍編集部/撮影 萩庭桂太 ©萩庭桂太

 でも結局、まわりを支えてくれるスタッフはいるし、身内はいるし、『全部やーめた』って放り出せないじゃない。なんか背負ってる感じというか。そんなときに限って、いい作品に恵まれるの。そしてそれが評価されたりすると、『あれ評価されたな』『もうちょっとだけやってみる?』みたいな感じになって続けてきた」

 2015年に結婚したありさ。最近は、仕事への取り組みにも変化が出てきたという。

「結婚して、前よりはスローになったのかもしれない。自分でそうしたくてしたわけではないんだけど、世間的にそう見えるのかな。私的には、忙しいのに慣れてるから、忙しくてもいいんだけどね。結婚してから生活が変わったわけではないし。子供がいればまた違うのかもしれないけど」

2008年 絶滅珍種“NOと言える日本人”斉藤さんシリーズ第1弾が始まった年 文藝春秋電子書籍編集部/撮影 萩庭桂太 ©萩庭桂太