人生、気がつけば半世紀。甲子園に出る高校野球選手が全員オッサンに見えていた昔が懐かしい。今じゃ、テレビドラマで大会社の幹部を威厳たっぷりに演じる俳優さんすら、年齢を調べたら年下で仰天、ということも多い。

 仕事でご一緒するのも8割が年下だ。この間は、20代のかたと横浜流星と浜辺美波主演のドラマ「私たちはどうかしている」の話になり、鬼姑を演じている観月ありさを称賛する流れに。が、私が彼女のデビュー曲「伝説の少女」についてキャッキャと話を振ったところ、衝撃の一言が。

素晴らしくカワイイ観月ありさ「伝説の少女」時代。真ん中のチラシと表紙は、彼女の筋金入りの大ファンという文春社員さんの私物。伝説は続いている!

「なんですか、それ?」

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 うおお、知らないのかッ、あの伝説の「伝説の少女」を! 知らないどころか、彼女はこの曲が発売したときはまだ生まれていなかった。コウノトリレベルのジェネレーションギャップにビックリー‼

 そこで私は彼女に語った。観月ありさは名曲の宝庫であることを。1990年代は「アイドル冬の時代」などと言われたが、10代の人気女優たちが演技力をフルに活用し、名曲を出していたことを。そして年を重ね、彼女たちは今、女優として大輪の花を咲かせていることを……。

 その流れで、語るだけでは足りず、書きたい衝動がもうどうにも止まらなくなった。

 大女優たちが90年代に放ったデビュー曲・ヒット曲を紹介させてほしい!

歌ってくれてありがとう! 時代を超えた名曲中の名曲

●ともさかりえ「エスカレーション」

ともさかりえ「エスカレーション」(1996年)。

 自分を魅せるセンスがアイドル時代からオシャレだったともさかりえ。このデビュー曲も「パリでシャンソン歌ってた前世の記憶を覚えてます」くらいの謎の大物ムードを感じさせる堂々っぷり。

 その後「さかともえり」名義で面白い曲も歌ったり、ブレイク前の椎名林檎の楽曲を歌ったり、良質のアンテナを持っている感がすごい。

 ちなみに、河合奈保子さんの「エスカレーション」も名曲。「エスカレーション」というタイトルの曲にハズレなし。