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深田恭子、竹内結子も…伝説の女優たちが90年代に歌ったヒット曲は、なぜこんなに沁みるのか

2020/10/15

genre : ライフ

note

中谷美紀のあまりに繊細な世界観に落ち込む

●中谷美紀「砂の果実」

中谷美紀「砂の果実」(1997年)。

 中谷美紀の、感情あまり乗せない歌い方と、坂本龍一の哀しいメロディが、染みる。心の琴線とはこんな音じゃないかしらと思う。

 初めて聴いたときは、あまりに繊細な世界観に落ち込んだ。が、不思議な中毒状態に陥り、結局CDショップに走った思い出が。

●宮沢りえ「赤い花」

宮沢りえ「赤い花」(1993年)。

 コムロプロデュースの「夢」を強く押し出した他の楽曲もいいが、異国情緒溢れるメロディと、童謡のような歌詞のこの曲が、シングルの中で一番宮沢りえのキュートさを引き出したんじゃないかと思っている。天女顔なので、東洋系の音楽を歌うと神々しい。

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●菅野美穂「あの娘じゃない」

菅野美穂「あの娘じゃない」(1996年)。

 カンノちゃんの声は唯一無二。特にこの曲は、あのちょっと鼻づまりの、低いとも高いとも言えない声で、ていねいに歌う感じが悶えるほど堪能できる。

 けっして音域が広そうではないのだが、音符の上に言葉をキチンキチンと置くように歌う。この気持ち良さよ!

●安達祐実「風の中のダンス」

安達祐実「風の中のダンス」(1995年)。

 90年代伝説のドラマ「家なき子2」の挿入歌。作詞・作曲大貫妙子、編曲千住明。彼女が13歳のときの楽曲で、幼い声でぽつり、ぽつりと歌う感じは、大人を食うようなドラマの演技とは違った、頼りない、心細さが溢れ出て切ない。