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“老後資金2000万円不足”問題も…「70歳まで収入を得られるようにしておく」ために40代がやるべき3つのこと

『コロナ後を生きる逆転戦略 縮小ニッポンで勝つための30カ条』より#2

2021/06/29

source : 文春新書

genre : ライフ, 人生相談, ライフスタイル

note

 では、副業・兼業先としてどのような職種を選んだらいいのだろうか。

 まずは自分の強みや得意分野を見つめ直してみることだ。単に儲かりそうだから、給料が高そうだからといった理由で選ぶのでは長続きしないし、つまらない。セカンドキャリアでは、自分がいかに世の中から必要とされる人間でいられるかがポイントとなるので、 40代のうちからそうした意識で副業・兼業先を選ぶことである。「自分の能力を必要とする人がいて、自分は社会に貢献している」と確認できることは、収入額以上に、セカンドキャリアに役立つはずだ。

 幸いにも40代にして、ある程度まとまった貯金のある人は、資産運用に挑戦するのもいいだろう。定年までの年数を数えられる年齢となってからのハイリスク・ハイリターンの投資は危険でありお勧めしないが、40代から資産運用を始めるならば、堅実な利回りのものでも何十年後かには、ひと財産になる可能性は十分にある。

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 それが金・プラチナ投資なのか、ETF(上場投資信託)や投資信託なのかは、自己責任でありそれぞれの判断でお願いするしかないが、副業・兼業も含めて複数の収入源を持つことはライフプランの可能性を広げる。

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「家を買って、はじめて一人前」はもう遅い

 40代ともなれば、持ち家率も高くなり、住宅購入を検討している人も多いことだろう。  

 だが、ちょっと待ってほしい。先ほど資産運用について言及したが、マイホームを財産 と考えることは、もうやめたほうがよい。「家を買って、はじめて一人前」という考え方は、もはや昭和世代の遺物である。

 一般的に、不動産は比較的安定した資産と考えられている。昭和に見られたような地価 が上昇するのが当たり前で、転売を繰り返しながら資産を大きくできた「住宅双六」の時 代はとうに終わった。いまや運用利回りを出せるのは、都心の高級マンションなど、投資に適したごく一部の物件に限ったことだ。一般のビジネスパーソンが住むような一戸建て やマンションは、その限りではない。これから人口が減り、一人暮らしが増えていく時代 に、家庭用の住宅のニーズが高まるだろうか? 人口減少社会では多くの住宅の価値は目減りしていくと予想されている。