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特集神童は大人になってどうなったのか?

自己主張強めな「筑附」の神童は、大人になってどうなったのか?

自己主張強めな「筑附」の神童は、大人になってどうなったのか?

片山さつき、檀ふみ、「友人の友人はアルカイダ」の人まで

2017/11/05
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思いっきり「首席」を自慢する神童

 お受験ママの世界では「つくふ」と呼ばれている、筑波大学附属小学校、中学校、高校(以下、筑附)。前身は東京教育大学附属、東京高等師範学校附属である。拙著『神童は大人になってどうなったのか』(太田出版)で探し求めた筑附神童は、自己顕示欲がなかなか旺盛だった。そして、発言がユニークである。

 試験で1番。これが神童の証しの1つであるならば、このOGをおいていない。参議院議員の片山さつき(1978年卒)である。以下、故・鳩山邦夫(1967年卒)とのやりとり。

「まだ財務省の役人だった片山さつきが『鳩山先生は高校時代、 全国模試で1位、1位、3位、1位だったそうですね』と聞くと、 邦夫は自慢そうに『そうだ』と答えた。すると片山さつきが『私は1位、1位、1位、1位でした』と勝ち誇ったように言ったというのです」(「日刊ゲンダイ」2010年3月18日号)

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片山さつき氏

 鳩山はこれまでメディアで模試1位自慢を繰り返していた。この口の軽さはしばしば失言を招く。最たるものがこれである。

「私の友人の友人がアルカイダなんですね」(2007年10月、日本外国特派員協会の講演)

 もっとも、やばい発言は片山のほうが多い。最近では、四国を「離れ小島」だと言ってのけた(2017年6月、テレビ朝日「朝まで生テレビ!」)。

 試験で1番をたくさんとることで「首席」という称号が与えられる。弁護士の山口真由(2002年卒)は思いっきり首席を自慢する。

「私は東京大学法学部に現役合格し、大学3年生のときに司法試験に一発合格、大学4年生のときには国家公務員Ⅰ種試験(現・国家公務員総合職試験)にも一発合格しました。東大では、卒業までの4年間で162単位を履修して、そのすべてにおいて『優』の評価を得ました。教養科目はすべてが、ほぼ満点。法学部の成績優秀者として『東大総長賞』を受賞し、首席で卒業しました」(『東大首席弁護士が実践! 誰でもできる<完全独学>勉強術』、SB新書)

 山口は「首席」と銘打ったタイトルの本を10冊近く出し、これがよく売れた。司法試験の勉強をこう語っている。

「一日に勉強すること、なんと19時間半。そしてそれを2週間続けたのです。一日24時間のうち、食事は各20分×3でトータル1時間。入浴に20分、毎晩母に電話をかけるのに10分、そして睡眠は3時間」(『東大首席弁護士が教える超速『7回読み』勉強法』、PHP研究所)
 
 こういうのをガリ勉と言う。

 同書の副題「小学生から社会人まで今すぐ使える!」か、はなはだ疑問だ。猛勉強に耐えうる精神力、体力、理解力も、筑附出身者は兼ね備えているのだろうか。

 そうでもないらしい。女優の檀ふみ(1973年卒)は予備校入試を替え玉受験でパスした。勉強に自信がなかったようだ。40年以上前、こんな告白をしている。