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「僕が就活したのは“氷河期”真っただ中で…」テレビプロデューサー・佐久間宣行が“天職”に就くまでの「意外な道のり」

佐久間宣行さんインタビュー#2

2021/10/13
note

面接のコツを掴んで数社から内定

――佐久間さんも十分「特別な人」だと思いますが……。

佐久間 大学に入学したばかりの頃は、将来テレビ業界に入りたいと思っていたんですよ。でも、大学1年生のときに広告サークルに入って、そこで出会ったのが西川美和、依田謙一、渡辺良介(※)の3人で。彼らの才能を目の当たりにして「こういう人がクリエイターになるんだな」と思って、早々に夢を諦めたんです。比較的ハキハキしゃべれる方だったので、就活ではメーカーとか商社の営業職を中心に受けて、けっこう内定をもらいました。

※    西川美和(映画監督)、依田謙一、渡辺良介(ともにテレビプロデューサー)

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――ちなみに、どれくらい内定が出たんですか?

佐久間 大手メーカーと商社。あと、テレビ東京と並行して、銀行と広告代理店の選考にも残っていて。テレビ東京に受かったあとも就活を続けていたら、もっと内定をもらえていたかもしれません。

――今だったら、その就活のノウハウを「note」で公開したら、課金してでも読みたい人がけっこういると思います。

佐久間 もちろん就活中はいいことばかりじゃなくて、つらい目にも遭いましたけど(笑)。でも、コツはわかっていましたね。一次面接の面接官はだいたい現場の人なので、現場でお客さんと向き合う大切さについて話すと、だいたい通りました。学生の頃って、でかいことを語りがちじゃないですか。現場を軽視して夢ばかり語る人とか、自己分析しかしてこない人とかは、一次面接で落とされていたような。

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――例えば、佐久間さんはどんなお話をされたんですか?

佐久間 僕は「客」として体験したリアルなエピソードが何かないかな、と思い出して話すようにしていました。すると面接官が「それ、私がやった仕事なんだよ」と喜んでくれることが多くて。その時に、目の前の人がどういう人なのか理解しておくことの大切さを感じましたね。