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《露骨な価格交渉も》「本番、本番」と母親の言葉をオウム返しする息子の横で…“中年パパ活女子”たちを悩ませる“厳しい現実”

『パパ活女子』より #2

2021/12/09
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夫が一切お金をくれない40歳の専業主婦パパ活女子

 パパ活サイトで活動している中年パパ活女子たちに聞き取りをしたが、動機は貧困だ。コロナによってさらに追い打ちがかかっている。

 女性の貧困は、コロナ以前ですでに最悪な状態だった。与野党の国会議員を含むあらゆるところから危機的な声が上がるなか、2019年10月に強引に消費税が引き上げられた。これからどうなってしまうの? という不安が渦巻いていたとき、中国・武漢で新型コロナが発生した。

 パパ活サイトでメッセージを送った越川希美さん(仮名、40歳)に、「じゃあ豊洲にきてください」と呼びだされた。豊洲は東京の富裕層が集まる地域で、豊洲在住のマダムたちはキャナリーゼと呼ばれる。指定されたカフェに行くと、貧相な後ろ姿の子連れの中年女性がいた。声をかけると、その女性が希美さんだった。子どもは落ち着きがなく、ずっと母親に絡んでいる。雄星くん(仮名、6歳)は、地元の幼稚園の年長さんらしい。

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「パパ活って普通にテレビでやっているじゃないですか。だからパパ活がいいかなって。年齢も年齢だから本番しますよ。いくらでも本番する。パパ活って検索するとお薦めサイトみたいなのがあって、とりあえず一番人気のサイトに登録した感じ」

 雄星くんは希美さんの膝の上に座っている。子どもの目の前でパパ活の話をしなければならないようだ。希美さんはパパ活、本番という話を普通にして、雄星くんが「本番、本番」と母親の言葉をオウム返しする場面もあった。筆者は大丈夫なのかと心配だったが、希美さん本人はなんとも思っていないようだ。

「20歳くらいのとき、援助交際もしていたので、そういう売春みたいなことは慣れているんですよ。まったく抵抗ない。20歳のときにやっていたのは、普通に本番する援助交際です。若かったので休憩で2万円、泊まりで5万円もらってた」

 希美さんは専業主婦で、旦那が家計を握っている。旦那は生活費を渡すのを徹底的に渋るのでお金がまったくないという。現状、銀行口座にある預金も5000円未満、ゼロに等しい状況だった。家庭内の経済的虐待である。

「旦那は私に一切お金をくれない。だから旦那が働いて子どもが幼稚園に行っている間に稼ぎたい。最初はどこか飲食店でアルバイトするつもりだったけど、コロナで店がやってないし、とても働けるような雰囲気に見えない。子どもは来年小学校だから学童に預けて本格的に仕事しようとも思ったけど、でも、コロナの影響でちゃんと働いている人じゃないと預けられなくなっちゃった。だからパパ活しかないんです」