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《死体放置による腐敗臭は気にならないが…》「あのアパートはもうダメです」“特殊な不動産屋”から紹介された事故物件…契約時に起きた“不可解”すぎる出来事とは

《死体放置による腐敗臭は気にならないが…》「あのアパートはもうダメです」“特殊な不動産屋”から紹介された事故物件…契約時に起きた“不可解”すぎる出来事とは

2022/01/03
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 不動産投資をやっていると、空き家で霊体験や超常現象のような出来事に出くわすことがよくあります。今回は東急東横線の某駅から徒歩20分ほどの場所にある、お値段なんと500万円の激安アパート(もちろん事故物件)と、そのアパートを封じるように建っているお稲荷さまのエピソードです。

※この記事は実話ですが、物件を特定できないようスペックやエピソードなどを一部改変しています

腐乱死体を放置していたアパートが500万円

 いつもデッドボールすれすれの物件を持ってきてくれる特殊な不動産屋さんから「東横線某駅の徒歩圏に500万円のアパートがあります」という情報が入ってきました。

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 某駅は渋谷にも横浜にも30分という好立地で、バスターミナルもある強い駅です。そんなところでアパートが500万円というのはにわかに信じがたいのですが、聞いてみるとやはり事故物件。しかも腐乱死体を夏のあいだ放置していました系とのこと。

 ただし建物自体は築25年ほどと比較的新しく、40平米の1DKが2部屋ある好条件です。いくら強い駅でも駅徒歩20分のワンルームでは苦しいのですが、1DKなら賃貸需要があります。

 これは見に行くしかない、ということで、不動産屋さんとリフォーム屋さんを伴って内見に行くことにしました。

崖にへばりつく異様なアパート

 現場に着いてビックリ、そのアパートは高い崖にへばりつくように建っていました。アプローチも崖すれすれの細い私道を登っていく形で、車では近づけないどころか、自転車やスーツケースですら抱えていく必要があります。ぶっちゃけ、どうやって建てたのかもよくわかりません。

 周辺は完全に住宅地で、崖の麓に小さな赤いお稲荷さまと、すぐ近くに古墳があるくらいです。ただ、おかしな気配は感じます。空気が張り詰めているというか、詰まっているというか、なんとも異様な息苦しさがあるのです。