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創業66年“荻窪の老舗食堂”で何が起きている? 店を引き継いだ一人娘が「ラーメン」を復活させるまで

B中華を探す旅――荻窪「ことぶき食堂」

2022/01/31

genre : ライフ, グルメ

note

 のりこさん「じゃあ、ツッコミどころは残して、中身は好き勝手に変えていこうかな(笑)。でも、変えすぎちゃうと、いま来てるおじちゃんたちが来てくれなくなるなあと思うんですよ。あのおじちゃんたちは大事にしなきゃいけない。だから、ちょうちんはやめたほうがいいと思ったんだけど……」

 江口「僕はこのままのほうがいいなあ。店名もこのままで。ほんとにいまのままでいい。変えていいところと、変えちゃいけないところがあると思います。ラーメンに関しては、『いまはできません』ってひとこと書いてればね、別にね」

 

 のりこさん「でも、めっちゃいわれるんですよ。限定でラーメンをやろうかなと思ってるのも、そんな理由があるからなんです」

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 江口「大変なんだね、ラーメンは」

年明けからついにラーメン再開!

 年が明けた1月初旬、のりこさんからご連絡をいただいた。1月12日からラーメンを再開するとのこと。そこである平日の午後、改めてお店に伺った。ラーメンとミニカレーのセットを注文する。

 この店でラーメンをいただくのは数年ぶりだが、すっきりとしたスープをひとくち飲んでみると、当時の記憶が鮮明に甦った。削節の風味を強く感じさせ、スッキリとしたなかに深みを感じさせるのだ。麺との相性も抜群で、迷った挙句にスープも完飲してしまった。

 
 

 ところで、期間限定だとおっしゃっていたこのラーメンは、いつまで食べられるのだろう? お聞きしてみたところ、うれしいご返答があった。

「本当は2、3週間のつもりだったのですが、あまりにも反響が大きいのと、食べてみたら我ながらおいしいなあと思ったのと(笑)、寒い時期には汁物が欲しいなあという気持ちも相まって、冬季の間……3月くらいまで……は、ひとまず継続してがんばろうかなと思っています」

 そのあとは週末だけにするか、あるいは麺類は出し、他のメニューを少し絞るか、まだ悩んでいる最中だとか。ともあれ冬が終わる前に、ぜひとも一度食べてみていただきたい。そうすれば、のりこさんの思いがきっと伝わってくるはずだから。

 

撮影=印南敦史

INFORMATION

ことぶき食堂

東京都杉並区桃井1-13-16
営業時間 月~土11:30~14:30L.O
定休日 水曜日、日曜日

ラーメン 750円
ラーメンとミニカレー 1100円
カレーライス 700円
ポテサラ 200円
ブタカラサンド 300円
ビール中瓶(お通し付き) 600円

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。次のページでぜひご覧ください。

創業66年“荻窪の老舗食堂”で何が起きている? 店を引き継いだ一人娘が「ラーメン」を復活させるまで

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