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DNA検査って本当に役に立つの…? 定価3万円のキットを購入して“発症リスク”をがっつり調べてみた

DNA検査って本当に役に立つの…? 定価3万円のキットを購入して“発症リスク”をがっつり調べてみた

2022/03/07
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 また、検査結果が出るまでに、各社のホームページでアカウントを作成し、生活習慣病などに関するアンケートに答えなければならない。

My Healthのアンケート(一部)

 30分もかからないあっさりとしたアンケートもあれば、1時間以上かかるヘビーなアンケートもあった。正直面倒ではあるのだが、のちのち、アンケートに答えていないと検査結果が表示されない項目もあったので注意が必要だ。

各社の結果を見てみると……

 それでは、各社の検査結果を見てみよう。検査結果はWebブラウザでパソコンでもスマホからでも見られるようになっており、いつでも閲覧可能だ。スマホのアプリを無料配布している会社もある。

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 DNA検査結果では、発症リスクが高いがんの種類や、心臓や血管などの循環器系で命を落としかねない疾病の発症リスクなどがわかる。

 ただ、ご存じのようにタバコを吸っていれば一般的に肺がんになる確率が高くなる傾向にあるので、なかにはDNAから見た遺伝的な確率と、過去にタバコをどのぐらい吸っていたか、今も吸っているかなどのアンケート結果から見た生活習慣・環境要因によるリスクを別々に出してくれる会社もあった。

MYCODEの検査結果はWebでの閲覧のみ。肺がんを例にするとDNAから見た発病確率(左)と、アンケートから見たリスク(右)を別々に表示している
My Healthの検査結果もWebでの閲覧のみ。こちらはDNAから見た発病確率のみを表記
GeneLifeはWebとアプリから閲覧可能。呼吸器系の疾病一覧から肺がんを選ぶと詳細が表示される
GenoplanもWebとアプリから閲覧可能。がんカテゴリーの一覧から肺がんを選ぶと詳細が表示される

 病気の発症率リスクは、筆者が見た限り%表示されるのではなく「発症する倍率」で表示されることが多いようだ。DNAのパターンにより数タイプに分けられ、標準的な発症率のDNAパターンと比較し、自分のDNAパターンがその何倍発症する確率が高いかで表示される。

 たとえばパターンAのDNAを持つ人(グループ)が10人に1人の割合で発症する場合、これを標準の発症率=1とする。自分の属するパターンBグループは10人に2人発症するなら、検査結果で表示される倍率は2倍となるわけだ。

 つまり倍率は個々に違うのではなく、自分が属するDNAパターンのグループメンバーはみな同じ倍率となる。